“凄腕のマーケッターを一人雇うようなもの” 人工知能が宿泊施設の収益を最大化「メトロエンジン」




“凄腕のマーケッターを一人雇うようなもの” 人工知能が宿泊施設の収益を最大化「メトロエンジン」

ホテルや旅館などの宿泊施設を運営する上で欠かせない業務、それが客室単価の設定だ。客室単価の設定は、宿泊施設の売上を左右してしまうほどのインパクトを持っている。そのため、専門の担当者が季節やイベントなどを考慮し需要が見込める日には価格を高めに設定する一方で、需要が小さい時期は価格を抑えるなどの調整を行うのが一般的だ。

客室単価の設定は、高単価の顧客層を最大限獲得しながら、需要が小さい時期でも手堅く利用者を確保しホテルの収益最大できる大切な業務の一つである。しかし、客室単価の設定はその多くを人の手に頼っており業務の効率化ができておらず、季節トレンドやイベント情報などを捕捉しきれていないなどの課題を抱えていた。

画期的な客室単価自動設定ツール「メトロエンジン」とは?

そのような客室単価の設定という課題に対して、挑戦を挑むのがメトロエンジン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:田中 良介氏)が提供する、ホテルや旅館向けの客室単価設定ツール「メトロエンジン」だ。

客室単価の設定を行うツールはこれまでもあったが、従来のツールは「移動平均」といい過去3ヶ月間の同曜日の平均で単価を予測するものであり、レベニューマネジメントを行う上で考慮しなければならない季節性やイベントデータ、海外の休暇状況などが考慮されていないという課題を抱えていた。

しかし「メトロエンジン」は、過去と未来の天気や近隣で行われるイベントデータ、訪日旅行者の渡航データ、OTA 上の在庫数、ADR(平均客室単価)など膨大なビックデータから人工知能、機械学習技術を駆使し客室単価の設定を行うことができる。

「例えば、6月27日から去年の6月27日に戻り、過去365日のビックデータを何万回と機械学習にかけることで翌3ヶ月の予測をより正確に導くことができる。直近2、3年のデータがあれば、さらに正確なデータを取得できる」(田中氏)という。

「今後は、ソフトバンクやドコモと協力してさらに詳細な人の行動を読み取り、より正確な客室単価や宿泊プランなどを設定できるようにしていく」(田中氏)と今後もさらなる機能改善を予定していることを明らかにした。

携帯電話から収集される移動データを活用すると、どの性別やどの年齢層の人がどこからどこに移動したのかがわかるようになるという。より詳細なデータを読み込むことで宿泊施設の収益最大化に貢献できるといった仕組みだ。

ホテルや旅館など施設側にとっては、明日は「この近くにこういう人が来る」というデータが事前にわかるため、どのエリアに需要があるかが可視化でき、コンバージョンの高い宿泊プランを作ることも可能になる。

全国3.5万超の施設に対応! 全国1,700万件のレビューを自然言語解析

メトロエンジンは、大手宿泊予約サイト(OTA)の情報を網羅しており、客室単価設定ツールは全国3.5万を超える施設に対応している。画面はパソコンなどでアクセスでき、管理画面のようになっている。その画面には、宿泊施設の情報、近隣のホテル、近隣で行われるイベント情報が過去と将来と載っており、その情報は各サイトより毎日読み込んでいる。イベントはデパートで行われる小さなイベントなどの記載もあり、とても正確だ。

この機能で一番目を引くのは、毎日8,000件もの投稿があるレビューを施設ごとにメリットとデメリットを書き出しているところ。全国1,700万件の情報があるが、それも毎日全て読み込み、それをIBM Watsonの自然言語解析を使って、宿泊施設ごとに分かりやすく箇条書きで良し悪しを表出させている。メトロエンジンと契約をすれば、これら全てと管理画面で確認することができ、客室に対してどこの国の人がどう言っているか、どの予約サイトからの投稿なのかも詳細に分かるのだ。しかも、レビューの返信もそこからできるというからすごい。

レビューというのはとても大事で、ユーザーは施設を予約する際、宿泊の日付と場所、金額を入れて絞り込みをするが、最後の決め手となるのはレビューになることが多い。よって、そのレビューがカテゴリー分けされていて、各カテゴリー毎の強みと弱みが分かれば、良いところは伸ばし悪いところは改善し、よりお客様のニーズにあったホテルへと成長することも可能になる。宿泊施設にとっては願っても無い機能だ。

近隣のイベントデータを表示! 需要のある日が即座に分かる

そして、管理画面の機能で同じくらい目を引くのは、近隣のイベントデータを見ることができる点。地図上に印がついており、ホテルからどこの距離で、何月何日に行われるか、過去と未来の両方のデータを見ることができる。競合のホテルが何メートルの場所にあるのかなども一目で分かるようになっているので、そのホテルの価格設定を確認して、瞬時で細やかに設定を変えれば宿泊客を数%でも引き上げることができるかもしれない。

これらの機能が、IBMの本物の人工知能を活用することで、全自動で瞬時に一目で分かりやすく分析できるのだ。これは、ホテルシステム業界に飛躍的な変化を生むはずだ。「リリースニュースを出してからというものの、問い合わせが殺到している状況です」(田中氏)という。

代表取締役社長、田中 良介氏

今後は、サイトコントローラーやPMSとの連動もし、より正確な客室単価設定もさせていくという。価格は、小規模な施設さんで1室1,000円〜と考えているそう。大規模な施設は、個別の交渉となるそうだ。

現在、ホテル業界は、ホテル事業を今まで経験したことがない大手会社も参入するほど、大変注目されている市場だ。その需要の大きいマーケットの中で、メトロエンジンはどれだけの事業者が取り入れ、どれほどの影響力を及ぼすのだろうか。今後もその動向から目が離せない。

【メトロエンジン株式会社】
本社:東京都港区麻布台1-11-3 麻布台第一ビル3F
代表取締役CEO:田中 良介氏
https://metroengines.jp/

メトロエンジン株式会社は、民泊事業者向けに、民泊やマンスリーなど物件の短期貸し出しに対応したクラウド管理ツール「民泊ダッシュボード」の提供を行っています。また、ホテル・旅館向けには、リアルタイムのビッグデータから人口知能・機械学習を活用し客室単価の設定を行うレベニューマネジメントツール「メトロエンジン」の提供を行うなど、宿泊事業者向けのサービスを提供しています。

「民泊ダッシュボード」
民泊など物件の短期貸し出しに対応したクラウド管理ツール
「メトロエンジン」
リアルタイムのビッグデータから人口知能・機械学習を活用し客室単価を導くレベニューマネジメントツール。

メトロエンジンは、2017年5月19日に開催された日本IBM主催のBLUEHUB最終プレゼンテーションで「最優秀賞」と「Tech Crunch賞」を受賞

(HOTELIER編集部)

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