“睡眠の見える化を客室の付加価値に” 睡眠解析サービス「スリープコンシェルジュ」

近年、ホテルや旅館などの宿泊業が高収益を目指す上で大きな課題の一つが、宿泊客への付加価値をどう高めるかだ。
客室などの施設の改装には、まとまった金額の設備投資が必要なため、様々な創意工夫を行なって、各施設が付加価値を高めてきた。

今回は、在宅勤務の増加による生活リズムの乱れなどを背景に注目されている”睡眠の質”に着目し開発された、「スリープコンシェルジュ」を紹介したい。
スリープコンシェルジュ」を提供している帝人フロンティア株式会社の安井氏に、HOTELIER編集部がインタビューアーとしてお話を伺った。

睡眠の質を見える化するサービス「スリープコンシェルジュ」とは?

HOTELIER編集部:睡眠解析サービス「スリープコンシェルジュ」について教えてください。

帝人フロンティアの安井氏

帝人フロンティア安井氏:睡眠中の呼吸や体動情報を計測・解析することで、睡眠の質を評価するサービスです。計測デバイス「マトウスSS」をシーツの下に敷いて寝ていただくことで、睡眠中のデータを取得し、独自のアルゴリズムを用いた評価を行い、結果を専用タブレットに表示します。
簡単に言うと、センサーを使って、ベッドに入ってから起き上がるまでの状態を判定しています。入眠までにかかった時間や、夜中に目が覚めたかどうか、寝返りの回数などを総合的に判定して睡眠の質を数値化します。

“「商社」と「メーカー」という2つの機能を合わせ持つ” 帝人フロンティア株式会社

HOTELIER編集部帝人フロンティアについてお伺いできますか?

帝人フロンティアは「メーカー」と「商社」という2つの異なるDNAが融合した企業体


帝人フロンティア安井氏
帝人フロンティアは、帝人グループにおける繊維・製品事業の中核会社で、「商社」と「メーカー」という2つの機能を合わせ持っている点が大きな特長です。
商社としてのコンバーティング力とメーカーとしての技術力を融合させ、衣料繊維から産業資材にわたる幅広い市場で新しいビジネスを生み出しています。
近年は独自のセンシング技術を活かしたウェアラブルソリューションの開発にも力を入れており、スポーツやヘルスケア領域での事業化を進めています。

早くから「睡眠市場」に注目してきた帝人フロンティア

HOTELIER編集部スリープコンシェルジュを開発するに至った経緯を教えていただけますか?

帝人フロンティアは早くから「睡眠市場」に注目してきた

帝人フロンティア安井氏:繊維メーカーとして、寝装品の開発・販売を行っていることもあり、早くから「睡眠市場」に注目していました。
先進国の中で、日本人は最も睡眠時間が短いという調査結果があり、睡眠不足が及ぼす経済損失は数十兆円規模にのぼるとも言われています。睡眠に関する課題の解決は急務であり、近年、「睡眠の質」向上を謳ったサプリメントや機能性食品など多くの商品が発売され、大変な人気を集めています。
弊社として、睡眠市場へ向けた新しいトライができないかと検討し、まずは近年力を入れているセンシング技術を活用した計測センサーの開発に取り組みました。「睡眠課題」と一言で括られることが多いですが、「寝つきが悪い」、「眠りが浅い」など、その内容は人によって様々です。「睡眠の質」向上のためには、第一にご自身の課題・状態を正しく認識していただくことが非常に大切だと考えました。
また、睡眠と繊維事業の親和性も非常に高く、計測に加えて、寝具やナイトウェアを用いた改善策も含めたトータルでの製品開発・提案が可能です。弊社としては今後、睡眠改善領域の市場形成に貢献したいと思います。

宿泊施設からお客様への新たな付加価値提供へ

HOTELIER編集部:睡眠解析サービスを導入することで、宿泊施設にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ホテル・旅館などの宿泊施設におけるお客様への新たな付加価値提供を期待

帝人フロンティア安井氏:このサービスを導入いただくことが、宿泊施設様からお客様への新たな付加価値提供と、リピート需要の創出に繋がることを期待しています。
ホテル・旅館は睡眠を提供する場なので、眠りに関する様々なお取り組みをされていると思いますが、「睡眠を分析し、評価する」サービスは少ないと感じます。私たちは、そこにお客様のニーズがあると捉えています。
例えば、普段お忙しいビジネスマンの方は、なかなかご自身の健康を顧みる時間を取ることができません。そのような方でも、このサービスを利用すれば、出張先のホテルで気軽に睡眠を計測し、ご自身の状態をチェックすることが可能です。このサービスを導入いただくことにより、お客様の満足度向上に貢献できると考えています。

“デリケートな活動”である睡眠にストレスを与えず睡眠の質を測定

HOTELIER編集部:改めてですが、スリープコンシェルジュの特長を教えていただけますでしょうか?

専用デバイスで計測する客観的なデータと自身のアンケートによる主観的なデータで評価

帝人フロンティア安井氏:まず、デバイスについてです。デバイスはベルトの形状をしています。既存の睡眠計測センサーは、ベッドそのものに搭載されたものや腕時計型のものがほとんどです。
ベッド型については、ベッドそのものを購入する必要があるので、価格が非常に高くなってしまいます。これと比べると、手軽な価格でデバイスを提供できる点は強みだと思います。
一方で、腕時計型のデバイスは、基本的に日中も利用している方がほとんどですので、「夜間は充電をするので、デバイスをつけたまま寝られない」という声がよく聞かれます。また、腕時計をしたまま寝るということに違和感を覚える方も多いようです。睡眠はとてもデリケートな活動です。計測デバイスを使うことによって生じるストレスを可能な限り低減するということを大前提とし、普段通りに寝るだけで計測が可能となる仕様にしました。この点は、我々がデバイスの開発において大変重要だと考えた部分です。

チェックシートによる主観評価を組み合わせた評価方法

帝人フロンティア安井氏:次に、評価方法についてですが、前提として、一晩だけのデバイス計測では、睡眠の質はなかなか理解し難いものと考えています。ホテルや旅館などの宿泊は1日単位の利用が多いため、良し悪しの正確な評価は難しく、デバイスによる計測結果(客観評価)と宿泊者様ご自身が感じた睡眠の自己評価(主観評価)が必ずしも一致しない場合もあるかと思います。そこで、より正確にご自身の睡眠を理解していただくために、この主観評価を測定する機能も搭載しています。具体的には、昨晩の眠りに関する自己評価をセルフチェックシートに回答していただくことで、言葉では表しにくい睡眠感を、5つの指標を用いて数値化します。
デバイス計測から得られる客観評価と、チェックシートによる主観評価を組み合わせることで、多面的に睡眠の質を理解することが可能となり、一晩のご利用でも、十分にご自身の睡眠評価を分かりやすく体験することができます。

HOTELIER編集部:睡眠の質について評価が得られるわけですが、評価結果をどのように活用すればよいのでしょうか?

帝人フロンティア安井氏:デバイスによる客観評価は、目標とするべき指標との比較、チェックシートによる主観評価は、一般成人の統計的平均値と比較する形で、それぞれ分かりやすく表示されます。こちらをご覧いただくことで、これまで気づかなかった睡眠課題が明らかになり、改善ポイントを確認することができます。
改善策として、快眠のためのテクニック、例えば「朝起きたら太陽光を浴びましょう」などのアドバイスや睡眠に関する様々な知識・情報を専用タブレットに搭載しています。これらもご活用いただき、日常生活における睡眠への関心や睡眠の質向上に繋げていただければと考えています。
また、専用タブレットにお客様ご自身のメールアドレスを入力されることで、評価結果・アドバイスをメールで送信するアフターサービスをご用意しております。「せっかくの睡眠レポートを持ち帰れないか?」とのご意見を反映し、この機能を加えました。

今後の展開:睡眠環境を①計測→②解析→③改善のサイクルをまわせるサービスラインナップ

HOTELIER編集部:会社として睡眠市場に注目してきたということですが、今後どのようなサービス展開をされていきますか?

帝人フロンティアが目指す「睡眠環境の改善サイクル」

帝人フロンティア安井氏:睡眠を計測し、評価するだけではなく、その先の改善策まで提供ができると考えています。一般的に睡眠に影響を及ぼす要素として、「光・音・温湿度」が挙げられますが、弊社では「香り」や「空気の清浄度」といった新しい要素に着目したアイテムの開発を進めています。例えば、同じ専用タブレットで操作ができるアロマポットや、塵・ホコリの発生を抑えることでクリーンな客室環境をご提供する機能性寝具などです。
「計測→解析→改善」のサイクルを回しながら、より付加価値の高い睡眠ソリューションサービスの提案を続けて参りたいと思います。

料金体系と導入までの流れ

HOTELIER編集部:最後に、料金体系と導入までの流れを教えていただけますか?

導入先の客室数に応じた月額利用料でサービス提供している

帝人フロンティア安井氏:「計測デバイス」と「専用タブレット」をセットにした、月額でのレンタル販売を基本としています。
詳しい条件等は、各宿泊施設様と個別でお話をさせていただき、提案を行いたく考えております。
まずは、弊社にお問い合わせをいただき、営業担当がサービスを詳しく説明させていただいた上で、お見積もりをお出しします。その後、導入という流れです。操作ガイドなど、スムーズにご利用いただくためのツールもご用意しております。

※ この商品は、医療機器ではありません。

問い合わせる
【Sleep Conciergeのお問い合わせ先】
Mail:info-matousss@teijin-frontier.com

【帝人フロンティア株式会社】
本社:大阪府大阪市北区中之島3丁目2番4号
中之島フェスティバルタワー・ウエスト
https://www2.teijin-frontier.com/

(HOTELIER編集部)


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