宿泊施設のリアルな声から生まれたホテルシステム『Staysee(ステイシー)』、代表取締役:前田氏インタビュー

宿泊施設のリアルな声から生まれたホテルシステム『Staysee(ステイシー)』、代表取締役:前田氏インタビュー

インターネットの普及により、IT分野は日進月歩で変化をしている。総務省が発表した、2017年の世帯における情報通信機器の保有状況では、スマートフォンの世帯保有率が75.1%を占めるなど、今ではITは私たちの生活に必要不可欠なツールとなっている。

宿泊業界においても同様で、一昔前まではクライアントサーバー型が主流だったホテルシステム(PMS)も、時代の変化とともに徐々にクラウド型に移行。さらに機能追加や他システムとの連携が進むなど、現場の使いやすさを考慮したシステムづくりが行われている。

今回HOTELIER編集部がインタビューしたのは、中・小規模の宿泊施設向けにホテルシステムサービス『Staysee(ステイシー)』を提供しているステイシー株式会社。2017年設立という若い会社ながら、サービス開始から1年ほどで既に約200もの宿泊施設がサービス登録をしているなど、順調に事業基盤を築いている。そのシステム開発の立役者であるステイシー株式会社 代表取締役 前田益宏氏にお話を伺った。

2017年にリリースされた、宿泊施設向けホテルシステムサービス『Staysee(ステイシー)』

『Staysee(ステイシー)』の立ち上げについて

ホテルシステムを作ったきっかけを教えてください。

私自身は元々、大阪で受託開発をメインとしたシステム会社を経営していました。当時から常々自社システムを開発したいと思っており、ちょうどインバウンドが活性化していることから、ホテル関係のシステム開発を検討していました。そのタイミングである交流会に参加した際、偶然、兵庫県を中心に宿泊事業を展開する「海月館グループ」の加茂常務と出会ったことが事業を始めるきっかけとなったのです。

当時、加茂常務も自社のフロント会計システムの入れ替えを検討しておりましたが、スペックや費用対効果を考えたときに魅力的なシステムがないことに悩んでおりました。そこで「海月館グループ」が実験台となり、リアルなホテル運営現場の求めるシステムを私たちが開発することで話がまとまり、ステイシー株式会社が立ち上がりました。

“フロント会計システム”自体、20年位前にリリースされたサービスがバージョンアップしながら運用されており、様々な機能があとから追加されたことでユーザーインターフェースが複雑なものとなり直感的な操作が難しくなっていたそうでした。それなら、加茂さんが作りたいものに私たちのエッセンスを入れてやりませんか、と話が進みましたね。
青写真のようなものは元々あったので、専門的なシステム設計のところから提案させてもらい、構想から1年程経った2017年の11月にリリースをしました

宿泊業の方がアドバイザーとして開発に加わるのは心強いですね!開発の中でどんなところに注力しましたか?

「「シンプル」で「使い始めが簡単」、そして「安価」で使える。この3つを最初に決めて開発をしています。前述のように、他のPMSは古いシステムを色々手直ししているシステムが多く、様々な機能を追加することで複雑化していく傾向にありました。そのため『Staysee(ステイシー)』では、本当に機能として必要なものを見極めて、スリムなものを作ることを目指しました。
開発当初からクラウドでサービス提供することを想定しており、シンプルであれば導入支援せずとも利用者自身がカスタマイズしていけるのでは?という考えがありました。なかでもインスピレーションを受けたのが会計ソフトの「freee (フリー)」。freeeのようにユーザー登録をしたらすぐに使い始められ、実際に利用しながら設定していけるシステムにならないかなと考えていました。

『Staysee(ステイシー)』という名前の由来を教えてください。

立ち上げの時に、開発メンバーからネーミングの候補を出してもらい20個ほど案が集まったのですが、最終的な理由は「響き」です(笑)

加茂さんのお話だと、PMSを使うホテル現場ではよく、従業員同士が「○○○(PMS名)をチェックして」などと会話の中によく商品名が出てくるそうなんです。でもその時に複雑な名称だと呼びにくいですし、略されてしまうだろうなって。そこで、可愛らしく、呼んでて気持ちいい名前がいいなと。また、ステイシーには「宿泊(stay)を俯瞰して見る(see)システム」という意味が込められています。ロゴも鳥の目のようなデザインにしており、宿泊業務全体を見て、効率よく管理しようという想いがあるのです。

海月館グループ常務の加茂大典氏とステイシー株式会社代表取締役の前田益宏氏

サービスについて

既に約200施設が登録しているそうですね。商品の強みはどんなところですか?

昨年11月にようやく100を超えましたが、ウェブサイトのSEO対策や展示会に出展させていただいたこともあり、ここ3~4ヶ月でさらに100施設くらいのご登録が増えましたね。やはり3ヶ月間は無料で利用できることが大きいのかと思います。トライアルのあるPMSはまだあまり聞きませんしね。

あと、月額使用料を抑えられるのも強みだと思います。当社には営業部隊がなく、私以外はほぼ開発をするエンジニアのみのため、人件費を抑えることができます。またテスト版の試験運用も、提携企業である「海月館グループ」が行い、使い勝手の良し悪しをチェック・改善してからリリースしていくので、もちろんプランにもよりますが、他社に比べるとコストを抑えられるのだと思います。

現場のリアルな声を聞けるのは貴重ですね。具体的にどんな意見がありましたか?

様々なご意見を頂いておりますが、使い勝手が悪いという話は全然なく、「こういう機能はないの?」「これ作ってくれたら契約するのに」というお声を多く頂いてますね。最近ですと、「宿泊税の報告用フォーマットが必要なんだけど」とか。簡単なものなら、開発費を頂いてカスタマイズさせていただくこともありますが、それらを全部対応するとなると複雑化してしまいますし、元々のコンセプトから外れてしまうので難しいところですね。
ただ、お客様のご要望は、社内の共有リストに全て挙げています。最低でも月2回はみんなで集まって優先順位を検討し、次は何を対応していこう?と相談しながら進めています。

どんなところにこだわりましたか?

やはり20年前にベースの考えができてる業界なので、システムの多くはカクカクしている硬いデザインが多いんですよね。なので最初に作るときからUIは、目に優しく、可愛く、丸みつけようと話していました。
あとは使いやすさという部分では、商品を“商品欄”から新規登録しやすくしています。多くのシステムは商品登録をする際、「TOP画面」→「設定」→「△△△の設定」という流れで商品を登録していきます。でもステイシーは、普段使用する画面に「設定」ボタンがあるため、いきなり商品を増やしてすぐに登録できるようになっています。そんな使い手の立場になって動線設計されているところが、多くのお客様に支持される秘訣なのだと思います。

親しみやすく、可愛らしいデザインが特長。シンプルかつ簡単操作で、誰にでも使いやすいシステムを実現。

導入支援をしない商品とはいえ、問題発生時はどのように対応しているのですか?

基本は電話やチャット、メールでサポートさせていただいております。しかしお客様の中にはパソコン操作が苦手な方がいらっしゃり、最初はどうしても導入支援を対応してほしいというご要望をいただきます。そこで、私たちに代わり、海月館グループに導入支援をサポートご協力いただいています。海月館グループには、他社に対するWEBコンサルを行うチームを持っており、導入支援のご相談をいただいた際は、提携企業よりサポートというカタチで対応させていただいてます。

業界におけるトレンドは何かありますか?

宿泊業界全体で今は人手不足が大きな問題となっていることもあり、PMSは業務の効率化ができるシステムであるべきだと考えています。そのため今は、レベニューマネジメント機能を追加するなど、人手を減らすための施策を打ち立てているところです。まだPMS界隈で、私たちがリサーチしている中ではきちんとしたサービスとして出している企業はないかと思われますが、実現しようとしている話は色々なところから情報が入ってきますね。
あと最近増えているのが、自動精算機などの精算システムとの連携ですね。当社も「チェックイン」や「精算システム」、「清掃の負荷軽減」の3つに対して、今期システム開発に取り組むことが決定しており、アプリ開発を行う予定です。
やはり最初に考えていたシステムに対し、現時点でまだ7割位しか作れてない部分があり、中でもタブレット対応が遅れていることが今の私たちの課題です。そこを今期の上半期で改善しようと考えています。もう一つのステップとしては、先程申し上げた“人材不足”という業界全体の問題に対し、業務改善につながるような追加機能のリリースをしていきたいと考えています。
PMSは宿泊状況の管理をするものなので、PMSでなくとも表計算ソフトで工夫をすれば対応できるものだと思います。それでも宿泊施設の方がPMSを導入されるのは、管理をしやすくなると同時にプラスαを求めているからです。

数多くのPMSの中から“Staysee”をご選択いただき、ミッションである「『おもてなし』に注力できる環境をつくる」を実現するため、今期はタブレット対応と業務改善につながるアプリ開発など取り組もうと考えています。

海月館グループをはじめ、既に全国約200施設の宿泊施設で登録されている。

今後の展開について

今後の導入目標を教えてください

おかげさまでリリースから丸2年で200もの施設の方にご登録いただきましたので、今年の年末までには500までご登録数を伸ばしていきたいですね。

安価で提供したいというコンセプトを持ち、かつ営業部隊も持たないため、正直私たちは、あまり大きい会社になるとは思っていません。それに、業界大手の企業と張り合っていくつもりはなく、宿泊業界で本当に悩んでいる中小の宿泊施設の方に対し、生産性を向上させることをサポートするツールとしてきちんと仕上げていきたいと考えています。なので会社を大きくするというより、システムの可能性自体を増やしたいなと。

リーズナブルで便利なモノってたくさん出てきていると思います。私たちは後発ですし、私たちのコンセプトに共感していただける企業と提携したり、ユーザーの方にもっと便利にご利用いただけるよう他クラウドシステムなどと連動して、より良いシステムになれば面白いかなって。

安価で品質の高いシステムを提供し、同社は今後も宿泊施設の業務改善をサポートしていくという。

最後に

ホテルシステムを導入するにあたり、様々な機能が充実していることは、システム選びの重要なポイントとなる。しかし宿泊施設によっては、たくさんある機能のうちの一部しか利用していないケースも少なくない。必要最低限の機能をベースに、導入施設が各自で機能をカスタマイズしていける『Staysee(ステイシー)』のようなホテルシステムは、ITリテラシーの高い現代人にとっては非常に使いやすいものだろう。

リリースから約1年という若いサービスながら、着実に登録数を増やし宿泊施設の支持を集めている『Staysee』。今後もシンプルかつ安価なサービスを提供し、システムにより「人材不足」という宿泊業界全体の大きな課題を解決できることを期待したい。

■『Staysee(ステイシー)』サービスサイトはこちら
■「ステイシー株式会社」コーポレートサイトはこちら
■「海月館グループ」コーポレートサイトはこちら

【参照サイト】 ・総務省 情報通信機器の保有状況 (HOTELIER編集部)

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