宿泊施設の業績悪化を受け運営支援・撤退支援の動き 楽天、OYO、テックアット、グランドゥースなど

新型コロナウイルス感染症により宿泊業は多大な影響を受けている。帝国データバンクの調査によると、2020年3月11日13時現在で判明している新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止)は全国に8件あることが分かった。このうち2件は旅館である。事態の終息が見えない中、各社が宿泊施設向けに運営支援や撤退支援を始めている。

運営支援

OYO Hotels Japan合同会社

全国のホテル経営者と日本の宿泊産業を支援するためのプログラム『OYO Partner Support Program(オヨ・パートナー・サポート・プログラム)』を3月13日に設立した。同プログラムは、3月13日以降にOYOへ加盟する日本国内のホテルよび旅館に対し、同社が一時支援金の支払いや技術支援を行うものだ。支援の可否および金額は、各施設の状況や加盟時期によってそれぞれ決定される。終了時期は未定で、同プログラムにより提供された資金の返金は必要ない。

同社はグローバルなホテルブランドとして、日本の宿泊産業への貢献を検討し同プログラムの実施を決定した。同社はすでに東南アジアにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響に関する類似する支援活動を実施しているが、同プログラムは日本発の独自プログラムとして展開する。

楽天株式会社

旅行予約サービス『楽天トラベル』の旅行者の事前決済代金などを含む旅行代金について、国内の登録宿泊施設に向けた送金を通常より1週間早める臨時対応を2020年3月送金分から実施する。この対応は、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的な業績の悪化が懸念される宿泊施設からの声を受けて、各施設のキャッシュフロー改善を目的に実施するものである。

通常の「旅行当月末締め、翌月25日払い」から「旅行当月末締め、翌月18日払い」に早める臨時対応をする。対象となる送金内容には、『楽天トラベル』で予約した宿泊とツアーに関わる事前決済代金、「楽天ポイント」利用額、割引クーポン利用額が含まれる。2020年3月18日から実施し、対応終了時期は未定である。

BCM株式会社

3月11日、外国人観光客が減り民泊運営に苦戦しているオーナーに対し「OTAページ無料作成・応援プラン」を開設した。今までの民泊運営の集客手法は、Airbnbをはじめとする海外OTAを利用する方法が主流だが、この集客方法では外国人をターゲットとしているため、観光客が減ると民泊運営の売上が下がる。そこで同社は、楽天トラベル・じゃらん等の国内OTAでの集客を強めるという。

また、日本国内も外出控えが続いているが、民泊物件はWi-Fiも完備されていることからリモートワークでの利用といった新たな活用方法もでてきた。一方で、国内OTAでの集客をはじめるにもページ作成等の費用が発生する。同社は、苦しい今だからこそ民泊オーナーを応援するため、OTA立ち上げ費用を無料にする応援プランを開設した。「OTAページ無料作成・応援プラン」詳細はこちら

メトロエンジン株式会社

収益改善およびコストカットをサポートすべく、2020年3月6日より30室以下を運営する小規模施設を対象に応援キャンペーンの実施を開始した。キャンペーン期間は6カ月だが、新型コロナウイルス感染症の終息状況等を踏まえて、6ヶ月間を経る前に提供を終了する場合がある。キャンペーン内容は以下である。

  1. メトロエンジン「ベーシックプラン」の無償提供(通常月額3万円)
  2. グーグルホテル広告掲載の初期費用無償(通常10万円)
  3. グーグルホテル広告掲載の際に利用する予約エンジン、「メトロブッキング」の月額費用を2.5万円から1万円にディスカウント

運営停止・撤退支援

株式会社テックアット

3月12日、民泊・ホテル・マンスリーマンション等の宿泊事業から撤退を検討しているオーナーや運営会社向けのコンシェルジュサービス『民泊撤退コンシェルジュ』を開設した。「物件開発を行いたいオーナー・運営代行」と「撤退を検討中のオーナー・運営代行」をマッチングし、マッチングが実現しない場合は同社が撤退代行を行うサービスである。

同社は民泊・ホテル・マンスリーマンションなどのオーナーや運営代行に対して、ネット卸サービス『LUUUP』を提供しており、数多くの物件開発において取引を実現している。『LUUUP』の数多く抱える顧客基盤を活かし、この度のコンシェルジュサービスでニーズマッチングを想起に実現するという。 加えて、家具家電領域における在庫処分を行っている強みを生かし、マッチングが実現しなかった物件の撤退代行業務も承ることによって、よりスピーディーな撤退を実現することを目指す。『民泊撤退コンシェルジュ』詳細はこちら

株式会社グランドゥース

2020年2月27日、民泊・ホテル・簡易宿所等の宿泊事業の運営停止を検討しているオーナーに向けた相談窓口の案内を開始した。同社の民泊ブランド『STAY&GO』および『Grandouce』は、洗練された居室と満足度の高いオペレーションでゲストから好評を得ているといい、この機にさらに同社運営物件を拡大すべく民泊事業の承継や代行業務を強化することとし、宿泊事業オーナー向けの特別相談窓口を開設するに至った。

matsuri technologies株式会社

2020年2月20日、民泊/宿泊事業の撤退を考えている民泊・旅館業オーナーより物件の買取・撤退を支援する相談窓口を開設した。同社は民泊新法施行時にも買取・撤退支援などを行っていたが、撤退の波が一段落したと考え停止していた。新型コロナウイルスへの対策として、マンスリーマンションのみの集客代行サービスの開始、コロナウイルス感染疑いの宿泊者に対しての事業者対応マニュアルの配布などを開始したが、「経営が立ち行かない、事業を売却したい」との声が多く『民泊・宿泊事業の買取相談窓口』の開設を再開した。

 

上記企業の取り組みのほか、観光庁は2月17日より地方運輸局等内に旅行業者等向けの特別相談窓口を設置した。また経済産業省は3月3日、宿泊業など40業種を「セーフティネット保証5号」に追加指定した。これは、経営の安定に支障を生じている中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で80%保証を行う制度である。世界各国で入国制限が行われ、日本国内でも外出やイベント開催の自粛が求められている。先行きが見えず不安な状況が続くが、企業や政府の支援を有効活用してほしい。

【参照記事】
・「新型コロナウイルス関連倒産」は8件 ― 「新型コロナウイルス関連倒産」動向調査 (3月11日13時現在判明分)
・OYO Hotels Japan、国内のホテルや旅館を資金面で支援する「OYO パートナー・サポート・プログラム 」を設立
・楽天トラベル、国内宿泊施設向けに事前決済代金などの送金を1週間早期化
・民泊運営代行を行うBCM株式会社は、新型コロナウイルスの影響によって民泊事業運営に苦戦しているオーナー様に対して、OTA※ページ無料作成・応援プランを開設しました。
・メトロエンジンが無償で提供!小規模宿泊施設向け新型コロナウィルス対策応援キャンペーン
・宿泊事業者様向けの撤退トータルサポートサービス「民泊撤退コンシェルジュ」の提供を開始。コロナウイルス流行拡大による宿泊事業者様が抱える課題の早期解決に。
・日本最大規模の民泊運営会社グランドゥース、民泊・宿泊事業運営に関する相談窓口開設のお知らせ
・新型コロナウイルスの影響による民泊・宿泊事業の買取相談窓口開設のお知らせ
【参照サイト】
・観光庁|感染症等を起因とした旅行者の減少等、経営環境の変化に直面している旅行業者等向け特別相談窓口の設置について
・経済産業省|新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策を講じます

(HOTELIER 編集部)


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