旅館・ホテル向け「ムスリムおもてなしサービス」12月より開始、ハラール対応の企画~実行までサポート

旅館・ホテル向け「ムスリムおもてなしサービス」12月より開始、ハラール対応の企画~実行までサポート

食品の製造、卸売、小売、ハラール対応支援を手掛ける有限会社沼田が、全国の宿泊施設を対象にムスリム(イスラム教徒)の迎え入れを支援する『ムスリムおもてなしサービス』を2019年12月2日より開始することが分かった。

訪日外国人数が増加する中、世界人口の25%を占めるムスリムの誘致は大きなビジネスチャンスと言われている。しかし「食や礼拝などの文化の違い」や「ムスリム対応の設備投資の大きさ」が大きな課題となり、東京や大阪を除く多くの地域では宿泊施設でのムスリム対応が遅れている。結果として、イスラム圏の旅行代理店からも「日本での旅行プランのバリエーションの少なさ」等が課題として挙がっている。

一般的に、宿泊施設が認証機関によりハラール認証を得てムスリムを受け入れるには、専用キッチンの新設やイスラム教徒の雇用が必要だ。これには数百万円から数千万円の初期投資が求められ、投資を回収できないリスクがつきまとう。一方で、「ムスリムの文化や考え方を理解した上で、各々が提供可能な範囲内でサービスを提供すること」を指す「ムスリムフレンドリー」という考え方がある。この方法であれば、数万円規模の初期投資からムスリム対応を始められ、事業の成長に合わせて投資額を増やせるためリスクをコントロールできる。

『ムスリムおもてなしサービス』は、宿泊施設におけるハラール対応の企画から実行までを支援するトータルサービスとなり、おもてなしのノウハウ提供から資材・食材の手配までを同社がまとめて支援する。まずは数万円からはじめられる「ムスリムフレンドリー」で対応を進め、宿泊客数の増加に応じて「ハラール認証」の取得を目指すスモールスタート方式で、宿泊施設のムスリム対応を推進する。なお、同サービスは2019年7月に中小企業庁より承認された経営革新計画に基づき推進しているものである。

支援内容は以下の5つだ。価格は3万円からで主に支援内容1の費用となり、宿泊施設の地域によっては別途交通費・宿泊費が必要である。

1.おもてなし方針の策定
ムスリム対応のポイントを伝えた上で、「食」「礼拝」「接客」の3つの視点からユーザーのおもてなし方針を策定する。例えば「調理器具」に関することであれば、「専用の調理器具を用意するのか?どのように一般の調理器具と区別するのか?どのように保管するのか?」などの方針を決定する。このおもてなし方針を1つ1つ細かく決定していくことで、宿泊施設のムスリム対応に必要なステップやコストが明確化されていく。宿泊施設に無理のない範囲で提案し、数万円の初期費用からはじめることも可能である。

2.食材の提供
ムスリムを誘致する上で、もっとも重要なのがハラール食材の提供だ。同サービスでは宿泊施設のおもてなし方針に応じて、ハラール食材を「弁当」「惣菜」「素材」の3段階で提供する。例えば「弁当」であれば電子レンジで調理できるため、特別な設備がなくてもハラール食を提供できる。また、ムスリムに安心して食事を食べてもらうために、すべての食材の食品成分表示(ピクトグラムまたは英語)を提供する。

3.資材の提供
ムスリムは1日に5回の礼拝を行うため、貸出用の礼拝用品を準備されるととても親切だ。同サービスでは、礼拝に必要な礼拝マットやキブラコンパスなどの資材も提供する。資材は、日本最大のイスラム教寺院である東京ジャーミイから提供してもらう。

4.従業員研修の実施
ムスリムを迎え入れるためにも、従業員がムスリムについて理解していることがとても重要だ。同サービスでは、宿泊施設のおもてなし方針に則った従業員研修を実施する。宿泊施設内での研修も可能で、従業員に効率的に周知できる。

5.マーケティング支援
1~4を経て、ムスリムをおもてなしする体制が整ったら外部に情報を発信する支援をする。宿泊施設のWEBサイトに載せる文章(日本語・英語)を提供したり、メディア向けのプレスリリースを代筆するなどする。また、静岡県内の宿泊施設であれば、静岡県庁の運営するハラールポータルへの登録や、旅行代理店とのプラン調整も無償で支援する。

ムスリム対応の宿泊施設は近年増えており、2019年7月にはビジネスホテルとして日本初のハラール認証三つ星を取得した「ドーミーイン・global cabin浅草」、8月には日本初のムスリム100%対応の宿泊施設「Jesly Villa Tokyo(ジェスリ ヴィラ トウキョウ)」が開業している。しかし、ムスリム対応の宿泊施設はまだ少ないのが現状だ。

政府は2018年5月に策定した『訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン』の中で、ムスリム旅行者の受入環境整備の基本的な考え方として、食事環境の整備について次のように述べている。「我が国ではムスリムの食習慣に対して十分な知識が広まっておらず、訪日ムスリム旅行者には専用の調理器具や食器、必ずハラール認証を取得した食品を使用しなければならないと考えている飲食店関係者が多いが、提供可能なサービスの内容を示し、ムスリム旅行者が選択できる環境を提供するなどの“できることから始める”姿勢が重要である。」

“できることから始める”ということは、飲食店のみならず宿泊施設にも言えることだ。沼田が始める『ムスリムおもてなしサービス』はスモールスタートの「ムスリムフレンドリー」で進めることができ、食事については宿泊施設の方針に基づき3段階から選ぶことができる。礼拝マットなど資材の提供に加え、研修やマーケティング支援もすることから、施設に合わせたムスリム対応と集客を強化できるだろう。同サービスが全国の宿泊施設に取り入れられ、ムスリムの旅行者が安心して日本を楽しめる環境が整っていくことを期待したい。

■「ムスリムおもてなしサービス」詳細はこちら

【参照記事】
旅館・ホテル向け「ムスリムおもてなしサービス」の提供開始 ~ 宿泊施設のムスリム対応の企画から実行まで支援 ~
【参照サイト】
観光庁|ムスリム対応に関する取り組みについて

(HOTELIER 編集部)

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