スペイン最大手ホテルチェーン、予約に使用できるギフトカードをAmazonで販売開始

スペイン最大手ホテルチェーン、予約に使用できるギフトカードをAmazonで販売開始

アメリカのインターネット通販大手であるAmazonは、ECサイトに加え、クラウドコンピューティングサービス『AWS(アマゾンウェブサービス)』や『Amazonビデオ』、スマートスピーカー『Amazon Echo(アマゾンエコー)』などを展開しているが、ホテルの予約サービスは行っていない。そんな中、ECサイトのAmazonを活用し、自社ホテルへの予約を促進させるアイデアを実現させたホテルがある。

スペイン最大手ホテルチェーンであるメリア・ホテルズ インターナショナルは、同社ホテルへ予約する際に使用できるギフトカードの販売を、2018年11月よりAmazonを通じて開始した。同社は、ヨーロッパや中南米を中心に世界で展開する約400軒の同社ホテルなどを利用することで、リワードポイントを貯めることができるロイヤルティプログラム『メリアリワード』を提供している。

Amazon上で販売するのは、35,000ポイントと55,000ポイントのギフトカードだ。ギフトカードの購入客は、同社ホテルに滞在する際にポイントを利用できる。また、レストランやスパなどでも利用できるという。同社は世界最大の利用者を誇るAmazonを活用し、これまで一般的だったOTAを通じた集客に加え、Amazonという新しい販売チャネルで利用者を獲得できるようになった。

2018年6月、世界最大規模のデジタル航空情報会社であるOAGが、米国の旅行者2,164人を対象にした、最新技術を使った旅行予約・決済に関する意識調査レポート「The Future of Travel Booking and Payments」を発表した。このなかで「もし旅行予約サービスがあったら、利用したいオンラインのプラットフォームは?」という質問に対し、複数の選択肢の中からAmazonを挙げた人が全体の44%を占め、最も多かったという。今後、ホテルの予約や滞在に利用できるサービスをAmazon上で販売する企業が増えることも考えられる。

Amazonは今やインターネット通販という枠を超え、“GAFA(ガーファ)”と呼ばれる巨大IT企業の一員となった。そんなAmazonには、オンライン宿泊予約サイトを運営していた過去がある。

2015年初頭、クーポン共同購入サイト『Amazon Local』にホテルのリスティングを追加した。4月には同サイトから展開される形で、ホテル予約サイト『Amazon Destinations』の運営を開始した。35都市で展開するまでに拡大したが、2015年10月、突如サービスを停止した。年末には、競合の『Groupon(グルーポン)』に敗北した形で『Amazon Local』も閉鎖している。

『Amazon Local』のリリース当初は、既存のOTAを脅かすのではと予想されたが、理由を明らかにしないままホテル予約事業から撤退した。アメリカのオンライン旅行市場はExpediaとBooking.comの独壇場で、その隙間に入り込めなかったことが原因とみられる。Amazonの当時の広報担当者は、「当社は多くのことを学び、Amazon Destinationsを終了することを決めた」と述べている。

米国の市場調査会社であるCIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)のレポートによると、Amazonの有料会員プログラム『Amaozonプライム』は約9,000万人の会員を有する。ホテル予約サイトを撤退して4年、現時点で同社がホテル業界への再参入に関連する動きはないものの、可能性はゼロとは言い切れない。

またAmazonのほか、Googleも“GAFA”の一員だ。Googleは圧倒的な検索エンジンシェアで多数の利用者を抱えているほか、スマートスピーカー『Google Home』を販売している。同社は昨今、ホテル業界でのプレゼンスを強めており、Google上でホテル予約を完結させる『Book on Google』を提供している。同サービスは日本国内では提供されておらず(2018年11月時点)、アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・ドイツ・フランスなどで提供されている。

現在、旅行やホテルの予約は、店舗に加えOTAを利用するのが一般的だ。しかしAmazonやGoogleなど大手企業が参入し、これまでの予約方法が変わっていく可能性もあり、今後の動向に注目していきたい。

■「メリア・ホテルズ インターナショナル」公式サイトはこちら

【参照記事】
Amazonで、ホテル客室の予約促進 スペインのホテルチェーンが始めた驚きの集客手法とは
【参照サイト】
・もし「アマゾン」に旅行予約サービスがあったら? 米国旅行者のうち「使ってみたい」は4割超、決済部門ではペイパルが人気 ―OAG調査
・アマゾン、宿泊予約サービス「Destinations」を終了–開始から半年で
・アマゾン、週末旅行者向け「Destinations」を米国で開始–ホテル予約や観光情報など
・【特集】Googleからホテルを直接予約「Book on Google」に垣間見えるホテル検索の未来
・Google上でホテルの予約を完結する「Book on Google」、ヨーロッパへ拡大で本格展開間近か

(HOTELIER 編集部)

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