観光客が減少した旅館の固定資産税、15%の減額認める判決。宇都宮地裁

観光客が減少した旅館の固定資産税、15%の減額認める判決。宇都宮地裁

栃木県那須塩原市の旅館が市を相手取り、建物の固定資産税が高すぎると主張した訴訟で、宇都宮地裁は市側に税額算定の基礎となる固定資産評価額の一部取り消しを命じ、15%引き下げた評価額が適正だとする判決を昨年12月に下した。

那須塩原市は判決を不服として、4日に控訴している。旅館の運営会社は市固定資産評価審査委員会に不服審査を申し立てたが退けられたため、地裁に提訴していた。

地方税法に基づく総務省の評価基準は、建物の需要を考慮し価値が下がった場合必要に応じて評価額を減額すると定めている。ただ適用例は数少ないため、専門家は「判決が確定すれば、来客が減った商業、観光施設の税額にも影響する」と話す。

判決によると那須塩原市は12年、温泉旅館「湯守 田中屋」の2つの建物の評価額を約1億1千万円、約6800万円と決定。旅館側は地域の観光客が過去12年で約24%減少していることなどを挙げ、「需給事情による減額補正をすべきだ」と主張。市側は「補正適用は極めて限定的な場合に限られる」などと反論していた。

判決理由で今井攻裁判長は「観光客が減っており、建物の需要とかけ離れている」「観光客の著しい減少は建物の価値を低下させる」と指摘。旅館が土砂災害特別警戒区域内にあり、「大雨の際の交通が困難になる」などの事情も考慮し評価額は15%減額すべきと判断した。

一般財団法人「資産評価システム研究センター」が2007年に公表した調査では、需給事情で建物の減額補正をした自治体は全国で1割程度。適用は、離島や騒音問題のある空港周辺などに限られていた。

固定資産税に詳しい明海大学の中城康彦教授(不動産学)は「需要減は土地の評価額に反映するのが基本で、建物の減額は例外的というのが実務の考え方。今回の判決は、補正の適用範囲を広く解釈した」とみる。判決が確定すれば「空き家のほか、シャッターが下りた店が目立つ商店街、入場客減の観光施設などの固定資産税の減額も認められる可能性が出てくる」という。

【参照】
旅館の固定資産税、減額認める判決 観光客減で客足減少

(HOTELS.Biz 編集部)

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