OYO Hotels Japan新ブランド「OYO Ryokan」始動、加盟旅館の総客室数は1,000室を突破

OYO Hotels & Homesとソフトバンクグループの合弁会社であるOYO Hotels Japan合同会社は2020年3月18日、同社が日本で独自に設立した新ブランド『OYO Ryokan(オヨ リョカン)』事業を全国に展開開始した。同日、加盟旅館の総客室数が合計1,000室を突破したことも発表した。

約1,300年もの歴史を誇る日本の旅館産業は、奈良時代に始まったとされている。OYO Hotels Japanは、長い年月を経て日本特有の伝統文化として発達した「旅館」を、海外も含めたより多くの人々に体験してもらうべき素晴らしい宿泊施設のスタイルであると考えた。文化的に守るべき貴重な旅館のオーナーを支援したい、また、世界に広めたいという思いで『OYO Ryokan』が誕生した。

『OYO Ryokan』は、古きを蘇らせ、OYO流のスタイルによって再生させる新しい「旅館」の形である。伝統的でありながら、気軽に楽しめる滞在を求めるゲストに、伝統とファッション、楽しさをもたらす。ロゴは日本の伝統的な装飾である「水引」をモチーフとし、「OYO」の“O”と“Y”を内包したデザインとした。3つの線が結ばれていく形状で、「人」「地域」「文化」がつながる絆を表現している。ロゴカラーには、江戸時代に “粋”な色として、美意識のある庶民の間で大流行した日本の伝統色「梅鼠 (うめねずみ)」を採用している。

同ブランドは、伝統的な日本のおもてなしの象徴として、旅館の「女将」をコンセプトとしている。施設やサービスの随所に織り込まれた、伝統的かつ現代的でスマートさを表す「粋」な感覚、日本独自のホスピタリティ精神を表す「おもてなし」、そして伝統に対する理解を深める「繋がり」を通じて、「女将」というコンセプトを体現していく。また、独自にデザインされた伝統的で革新的な家具や什器がゲストを迎える(施設により、導入されていないアイテムがある場合がある)。

客室には「ふとんソファ」を用意する。かつて日本では畳や床に座ることが当たり前だったが、今の若者や外国人は長時間床に座ることにあまり慣れていない。布団とソファが一体となった「ふとんソファ」を使用することで、幅広い世代・国籍のゲストでもリラックスした気分で和室の雰囲気を楽しめるとともに、1つの家具で多くの使い方ができ省スペースにもなる、日本らしい機能性も体感できる。

また、館内には「旅館を通じて、人々が日本文化や地域への理解をより深めることができるように」という願いを込めて、人と人、人と文化、人と地域を結ぶ、“集いの場所”としての「屋台バー」を設置する。その旅館で働くスタッフが店主となることで、ゲストとの間に会話が生まれる。また「屋台バー」でその土地のお酒や名物を提供することで、地域の魅力を発信する場にもできる。

OYO Hotels Japan オペレーティング・パートナーのプラスン・チョードリー氏は、「”OYO Ryokan” を通じて、旅館にあまり馴染みのない若い方や、世界中の旅行者の皆様に日本の素晴らしい旅館とその地域の魅力を体験していただけることを願っています」と述べている。

同社は、今後も日本全国の加盟旅館とのパートナーシップを拡大および強化し、より多くのゲストに日本の伝統的な文化である旅館の魅力を発信・提供していくとともに、日本の施設オーナーへさらなるビジネスの機会を提供していくことを目指すという。

 

3月18日に行われた事業説明会によると、『OYO Ryokan』の展開は2019年から開始し、加盟旅館は約8ヶ月で40都道府県・80都市に上り合計1,000室を突破したという。OYO Hotels Japanのバイスプレジデントであるサント・シング氏は、OYOが持っているものと旅館をどうやって結び付けて協力できるかに注目し、来日した際に北海道から沖縄まで100軒以上の旅館への訪問とヒアリングを経て市場調査を行った。そして、旅館の伝統的なDNAはそのままに活用し、テクノロジーを使って訪日客に旅館文化を届けたいと考えた。約8ヶ月にわたるOYOの技術投資や設備投資、デザインハウスとのコラボレーションにより、オリジナルアイテムや「屋台バー」の設置などが実現した。

市場調査は大手フランチャイズではなく、小規模や単独で経営する旅館を対象とした。旅館はホテルに比べ数は多いものの、営業は下降傾向にあることを問題点として挙げている。『OYO Ryokan』事業のディレクター・八木寛人氏は「旅行業界が変化する中で、古い歴史を持つ旅館の伝統をどう引き継ぐかなど旅館経営はさまざまな課題がある。 OYOは人員不足や後継者不足など、改革が求められている旅館をサポートしていきたい」と述べている。

OYOは、2020年2月に発表した日本における事業初年度の総括で、「2019年は学び、そして「実験」を重ねた、荒波への船出の年でした」と述べた。2020年は、物件・ホテルの稼働率・収益性を上げることを最重要視し、ビジネスモデルを継続的に改良することで新たな成長曲面を迎えるとしている。『OYO Ryokan』の始動で、同社の業績にどのような影響を与えるのか注目が集まる。日本の伝統文化である「旅館」の発展に寄与する事業となることを期待したい。

■「OYO Ryokan」詳細はこちら

【参照記事】
OYO Hotels Japan、海外発ホテルチェーンによる日本発の“旅館”ブランド 「OYO Ryokan」を日本全国に展開開始 加盟旅館の総客室数 合計1,000室突破
【参照サイト】
・トラベルWatch|OYO Hotels Japan、日本独自の新ブランド「OYO Ryokan」の加盟旅館1000室突破
・ソフトバンクニュース|日本旅館の魅力とテクノロジーの融合による旅館経営改善へ。新ブランド「OYO Ryokan」がスタート

(HOTELIER 編集部)


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