Amobee Japanと大阪観光局が共同研究を開始、欧米豪市場のインバウンド対策を強化

Amobee Japan(アモビー、以下:Amobee)と公益財団法人大阪観光局は2020年2月18日、欧米豪市場をターゲットとしたインバウンド対策強化のための共同研究を開始したことを発表した。

Amobeeは広告主や広告会社、放送局へ広告ソリューションを提供する世界最大規模の独立系マーケティングプラットフォームだ。同社の包括的なマーケティングテクノロジープラットフォームが提供するインサイトにより、マーケティング担当者はコンシューマージャーニーの全体で企業のマーケティングメッセージを管理できるようになる。また独自データやAI、高度な分析によって、広告主はマルティデバイスをまたいだコンシューマージャーニーを理解でき、従来型メディアでは多くみられた重複する投資を削減することができる。同社は世界最大級のテレコム企業であり、数億人のモバイル加入契約者を抱えるシンガポール・テレコム(Singtel)の完全子会社で、北米・ヨーロッパ・中東・アジア・オーストラリアにわたって事業を展開している。

大阪観光局は、大阪府・大阪市・経済界によるオール大阪体制で観光振興に取り組むため、観光戦略の策定・実行・効果測定を担う組織として設立された。2016年からは地域連携DMOとして、大阪・関西における観光産業を総合的成長産業へ成長させることを最大の目標としている。「24時間観光都市」「関西・西日本観光のハブ」「多様性あふれる街」の3つをコンセプトに掲げ、DMO事業戦略の策定とそのための自主財源の確保、戦略的マーケティングの実施、情報ネットワークのワンストップ化、観光案内のワンストップ化、戦略に基づく新たなプロモーション、戦略的MICE誘致の推進、といった施策を進めている。

大阪府への外国人訪問者数は2018年に1,142万人に達し、オリンピック/パラリンピック、2021年のワールドマスターズゲームズ、 2025年の大阪万博を控え、今後更なる増加が見込まれている。拡大するインバウンド市場において昨今のアジア情勢を受け、欧米豪市場の重要性がますます高まっており、また欧米豪の消費者はアジアの消費者と様々な点で異なるため、改めてその興味関心やトレンドを把握することがインバウンド施策の成功に不可欠だ。

この度の共同研究では、Amobeeの『ブランド・インテリジェンス』を活用し欧米豪市場をターゲットとした訪日マーケティング施策のPDCAを行う。『ブランド・インテリジェンス』とは、デジタル上のコンテンツに対する消費者のエンゲージメントを測定するソリューションだ。様々なデータソースを独自技術によって解析することで、特定のトピックやブランド、イベントに関するイメージや消費者、時系列トレンドなどを把握することができる。海外では多くの実績があるが、日本では2019年に展開を開始したばかりの最新ソリューションである。

『ブランド・インテリジェンス』により、許諾ある海外消費者5,000万以上のデータを特許済みAI解析技術で分析することで、最新の海外トレンドや消費者の興味関心を素早く把握することができる。特に英語圏での分析を得意としており、高い品質での欧米豪の消費者分析が提供可能だ。Amobeeは、従来は海外市場のブランド分析や消費者分析を中心に提供してきたが、これまでの知見や技術を活用し、インバウンド対策軸での分析を提供するという。

共同研究では、欧米市場の消費者がどのような関心を持っているのかを分析し、その結果をベースに大阪が保有する観光コンテンツと照らし合わせアクションを検討していく。実施されたアクションについては適宜効果検証を行い、その変化を捉え次の施策への示唆を探索する。Amobeeは「本取り組みを通してインバウンドにおける分析ノウハウを蓄積し、また大阪観光局は欧米豪市場を対象としたインバウンド対策をより強固にしていきます」と述べている。

2018年の訪日外国人客数は3,119万2,000人で、トップ3は中国838万人、韓国753.9万人、台湾475.7万人だった。欧米豪からの旅行者は全体の11.6%と、アジアからの旅行者に比べて少ない。大阪府でも同じことが言える。2018年の来阪外国人客旅行者のトップ3は中国455万人、韓国239万人、台湾122.3万人となった。この3カ国だけで全体の7割を占め、中国のみでも全体の約4割を占める。欧米豪に注目すると、アメリカ41.5万人、オーストラリア24.3万人、フランス・カナダどちらも12.6万人、ドイツ7.6万人、イギリス6.1万人だった。

現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、中国は海外への団体旅行を禁止されているほか、韓国も日本への渡航自粛を要請した。日本においても、中国人や中国へ渡航歴のある人の入国を制限している。また日本国内では感染者が多数確認され、宿泊キャンセルが相次ぐなど観光業・宿泊業に大きな影響が出ると予想される。

こうした現状を受け、株式会社LIFE PEPPERは2月14日、今後のインバウンド対応に何が求められているのかを把握することを目的に、東京都内の訪日外国人観光客を対象に「訪日外国人観光客の新型肺炎に対する意識・行動の変容に関する調査」の結果を発表した。調査対象は10〜70代の訪日中の外国籍男女、調査対象地域は東京23区内(浅草・上野)、調査実施時期は2月5日~2月7日、有効回収数は199サンプル(欧米豪圏73・中華圏126)

今回の日本滞在について不安を感じている人は、中華圏からの旅行者では全体の44%を占めた一方で、欧米豪圏からの旅行者は7%にとどまり、不安を感じないという回答が81%に上った。多くの欧米豪圏の訪日客が「日本は自国に比べて綺麗(清潔)なので、感染症が騒がれているアジアでも、不安感が少ない」とコメントしたという。また調査の番外編として、今回の訪日旅行中に不安が和らいだ/助かった事を聞くと、「店舗や宿泊施設のアルコールスプレーやマスクの設置」「清潔度」という回答が多かった。

今回の調査結果についてLIFE PEPPERは「全体として、行動での変化は顕著には表れていない事から、インバウンド対策を行う企業は、過剰に反応するのではなく、まずは訪日観光客にとって安心感を与えられるよう、冷静な対応が求められているのかもしれません」と述べている。

欧米豪からの旅行者が日本滞在にあまり不安を感じていないとはいえ、今後のインバウンド対策はこれまで以上に慎重になる必要があり、観光業も宿泊業も欧米豪のニーズを把握することは不可欠と言えるだろう。前述した「欧米豪の消費者はアジアの消費者と様々な点で異なる」という点については、トリップアドバイザー株式会社の『インバウンドレポート2019』でも明らかになっている。Amobee Japanと大阪観光局の共同研究で良い成果を得られ、欧米豪からのインバウンド増加に寄与することを期待したい。

【参照記事】
・大阪観光局とAmobee(アモビー)、欧米豪インバウンド対策の共同研究を開始
・「いま日本にいて不安を感じる?」中華圏と欧米豪で不安度に11倍の差!
【参照サイト】
・日本政府観光局|訪日外客数(2018年12月および年間推計値)
・大阪観光局|来阪外客数の推移

(HOTELIER 編集部)


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