ヒューリック、「ヒルトン東京お台場」を624億円でジャパン・ホテル・リートに売却

2019年1月8日、不動産大手のヒューリック株式会社が、東京都内の大型ホテル「ヒルトン東京お台場」を2019年4月8日に売却すると発表した。

売却先は、上場不動産投資信託(REIT)のジャパン・ホテル・リート投資法人だ。売却額は624億円だという。これは、ヒューリックの2018年12月期における連結売上高の直近予想値である2,900億円の10%以上に相当する額だ。なお、同ホテル売却によりヒューリックの業績に与える影響については、2019年1月30日に開示予定の「2019年12月期連結業績予想」に、20億円超の売却益として計上する予定である。

ヒューリックは2017年11月に芙蓉総合リース株式会社と組み、米投資ファンドのエリオット・マネジメントから、同ホテルの土地と建物を600億円弱で取得していた。2018年4月には、芙蓉総合リースの持ち分を全て買い取った。外資系ホテルの運営ノウハウを取り込むため、当初は当面保有する計画だったが、このたび買い手が見つかったことから売却方針に転換したようだ。

「ヒルトン東京お台場」の取得は、ジャパン・ホテル・リートにとって初の、東京都港区に立地する希少性の高い都心の4つ星(2018年11月30日時点)大型フルサービスホテルだという。取得予定価格ベースで、J-REIT最大(2018年11月30日時点における取得予定価格を基準)のホテル物件となり、トロフィーアセットとなる大型物件だ。

同ホテルは、銀座・浅草・渋谷など東京の著名な観光地へのアクセスが良い。また、多数のレジャー・商業施設や、国内有数の国際会議場である東京ビッグサイトなどが周辺に所在する。同法人は、レジャー・ビジネス両面での旺盛な需要が期待できることに加え、インバウンドによる更なる成長性が期待できるマーケットであると考えている。

ヒューリックは“3Kビジネス(高齢者・健康、観光、環境)”に取り組み、このうち観光においては自社ブランドホテルの展開や他ホテルへの投資などに注力している。東京・お台場では「ヒルトン東京お台場」の近隣に、芙蓉総合リースと共同で大型ホテル「グランドニッコー東京 台場」を保有している。2019年5月には芙蓉総合リースが持つ建物分を買い取り、全面保有に切り替える方針だ。また、お台場でのホテル運営は「グランドニッコー東京 台場」に専念する考えだ。

このほか、同社直営のホテルブランド『THE GATE HOTEL(ザ・ゲートホテル)』を2012年8月に浅草、2018年12月に有楽町にて開業した。京都・河原町と東京・両国でも同ホテルを開発中で、どちらも2020年5月に竣工予定だ。さらに、高級温泉旅館『ふふ』シリーズも積極的に展開していく方針で、2019年以降は熱海・日光・奈良・京都・強羅で開業予定である。同社の宿泊事業は、今後さらに活発になっていくだろう。

【参照記事】
ヒューリック、東京・お台場のホテル売却 624億円で
【参照サイト】
・販売用不動産の売却に関するお知らせ
・資産の取得及び貸借に関するお知らせ(ヒルトン東京お台場及びホテルオリエンタルエクスプレス大阪心斎橋)
・高級旅館運営会社の子会社化について「ふふシリーズ」の積極展開

(HOTELIER 編集部)


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