基準地価の上昇率1位は「大阪府」訪日客増加でホテル建設ラッシュ

基準地価の上昇率1位は「大阪府」訪日客増加でホテル建設ラッシュ

国土交通省が9月20日発表した基準地価で、商業地が9年ぶりにプラスに転じたと毎日新聞が報じた。

上昇率の全国トップは2年連続で「大阪府」。訪日外国人の増加を見込んで空前のホテル建設ラッシュで、用地取得の動きも活発だ。ただ「爆買い」は落ち着きつつあるので、いつまで上げ潮が続くのか懐疑的な声もでている。しかし、競争力がある場所なので、2020年の東京五輪後も十分需要があると判断した。

住友不動産は、JR大阪駅徒歩5分の土地に、ホテル併設型タワーマンションの建設を予定している。客室数200程度のホテルを併設することも決定した。観光庁によると、大阪府内のホテル・旅館などの客室稼働率は2014年7月以降、全国1位で、訪日外国人向けのホテル需要は今後も高まるとみる事業者は多い。今年度8月までで143件で既に前年度を上回っている。

訪日観光客の上げ潮はいつまでつづくか

全国の商業地で上昇率3位と4位だった大阪・ミナミ。相変わらず中国人観光客らの姿が目立つが、地価を押し上げてきたとされる「爆買い」は、中国当局による輸入品への課税強化やリピーターの増加で収まりつつあるという。「一部のホテル事業者は『五輪後は見通せない』と投資に慎重になっている」という声や、「五輪の反動はあっても、中長期的には外国人観光客が増えていくはず」と言う声もある。

全国の最高時価は東京・銀座、愛知や福岡も好調

国土交通省が発表した7月1日時点の基準地価は、商業地がリーマン・ショック前の2007年以来の上昇に転じるなど、大都市を中心に上昇傾向が続いていることが鮮明になった。一方で、人口流出に苦しむ地方は下落が続いており、好転の兆しは見えない。

今回、全国の最高地価地点となった東京都中央区銀座2の「明治屋銀座ビル」は、前年比25%上昇し、1平方メートルあたり3300万円となった。一方、商業地の上昇率では今回、大阪市と名古屋市が上位5地点を独占。いずれも交通インフラの整備や駅周辺の再開発が進んだ地域だ。

愛知県の商業地は27年にリニア中央新幹線が、東京−名古屋間で開業するため、名古屋駅周辺の地価が高騰し、全体を押し上げた。リニア整備に絡んで用地買収が進むJR名古屋駅西口の商業地は、上昇率が全国1位で、同駅周辺では既に大型商業施設やホテルの開業が相次いでいる。

福岡県では都心部に近い福岡市南区の住宅地が大きく伸び、上昇率で全国4位となった。同県は全国でも数少ない人口増加県で、九州各地から多くの人が移り住むため、都心部とつながる鉄道沿線地域を中心にマンション建設の需要がある。

地方では、北海道倶知安町の住宅地の上昇率が全国のトップとなった。「著名なリゾート地ニセコの観光圏にあり、外国人の別荘地の需要が高まった」(国交省)という特殊事情があるためで、地方圏全体では下落が続いている。

都道府県別で最も下落率が大きかったのは秋田県。全国最下位は商業地が4年連続、住宅地が3年連続だ。同県は人口減少率、高齢化率、出生率がいずれも全国ワーストワン。「秋田市の人口も減っており、駅周辺では再開発が進むものの、期待する集客効果が見えない」(国交省)という。

【参照】
上昇率1位大阪商業地 ホテル建設ラッシュ 訪日客見込む

(HOTELIER 編集部)

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