“ORDINARY(日常)”にフォーカスした『SEKAI HOTEL』全国展開第1弾は高岡市、2020年春開業予定

“ORDINARY(日常)”にフォーカスした『SEKAI HOTEL』全国展開第1弾は高岡市、2020年春開業予定

中古住宅や長屋、オフィスのリノベーション事業を手がけるクジラ株式会社は2019年10月3日、かねてより取り組んでいた『SEKAI HOTEL』の全国展開について、最初の地域を富山県高岡市に決定し2020年春に開業予定だと発表した。

地方創生は数年前からひと・もの・かねの東京一極集中を是正するために国家戦略としても指定され、企業や自治体によって全国各地で様々な施策が実施されてきた。なかには成功例としてあげられる事例も存在するが、汎用性のある地方創生のプラットフォームと呼べるものはまだ多くない。そこで同社は、これからの地方創生にはこの汎用性のあるプラットフォームが必要であると考え、大阪府内の2拠点で『SEKAI HOTEL』を展開してきた。

『SEKAI HOTEL』は、まちの“ORDINARY(日常)”にフォーカスした“まちごとホテル”だ。『SEKAI HOTEL』では“クラウドホテル”構想を掲げている。一般にホテル事業が持つ「フロント」「宿泊設備」「物販」「アクティビティ」などの機能を1つの大規模な建物の中に収めるのではなく、点在する空き家を再生利用(=宿泊設備のクラウド化)をしながら、まち全体を大きなホテルと見立てて開発する考え方を”クラウドホテル”と定義している。具体的には、地域の空き家をリノベーションし旅館業営業の許可を得た客室に転換するほか、大浴場や飲食店、アクティビティなどの機能をエリアの事業者と連携・提携して、宿泊客にエリアを回遊しながら利用してもらおうと考えている。

2017年6月15日に大阪市此花区西九条にて開業した「SEKAI HOTEL Nishikujo」では、大阪の中心地やUSJへのアクセスの良さに加え、地域の喫茶店のモーニングや地域の銭湯を無料で利用できるサービスを展開している。また、2018年9月25日に東大阪市足代にて開業した「SEKAI HOTEL Fuse」では、50年以上の歴史がある商店街をまちごとホテルと見立て、飲食店を中心に10店舗以上の店舗と提携を結び運営してきた。

同社は2019年3月、グループ会社で、まちごとホテル化することで空き家問題の解決・地域活性化を目指すSEKAI HOTEL株式会社が、『SEKAI HOTEL』事業の全国展開を4月より本格的に開始すると発表していた。

各拠点ごとに地元企業を中心としたパートナーシップ契約を締結し、ライセンスを貸与する。パートナーとなる事業者はひとつのエリアの運営主体となり、ライセンスとノウハウを生かし地域の活性化を推進する。なお、初期段階ではSEKAI HOTEL側からもスタッフを出向させ、海外向けのPRやお土産などの商品開発はSEKAI HOTEL側が主体となって行うとしている。

加えて、地域のステークホルダーである自治体(PRや地元有力者の紹介)、金融機関(資金)、地元資産家(遊休地の提供)、大学(インターンシップ)、地元企業(新たな商品開発)とも連携を図るという。全国展開の発表当時、神奈川・富山・滋賀・愛媛・福岡などさまざまな地域を検討していると述べていた。

この度新店舗の開業が決定した富山県高岡市は、北陸新幹線開通以降、観光客も年間380万人を超えるまでになった。国宝・瑞龍寺、雨晴海岸、ドラえもん作者である藤子・F・不二雄氏の生誕地としても有名なエリアである。一方で、北陸新幹線で訪れやすくなったことで、“東京から3時間以内”の地域全てと競合するようになった。

宿泊観光客増加への課題感が高まる中、同社は「『SEKAI HOTEL』がユーザーエクスペリエンスの中心に据える“ORDINARY”が高岡市にはあふれている」と感じているという。“ORDINARY”体験の入り口とも言える季節ごとの地域イベントやお祭りは、それぞれ多彩な表情を見せており、地元住民の日常的な慣習にも同じ日本人ですら驚き新鮮に感じるものがたくさんある。また、歴史の財産とも言える高岡鋳物の技術は、ホテルの空間デザインとの相性も良いことから、訪れる人に「五感で感じてもらう観光宿泊体験」を促せると判断した。

高岡市は、2016年度~2020年度の5年間を計画期間とした『高岡市観光振興ビジョン』を策定している。観光入込客数を2020年に450万人、宿泊者数を28万6,400人、外国人宿泊者数を1万2,300人へと増加させる目標を設定し、さまざまな課題を挙げ解決に向けた取り組みが行われている。そのうち、観光の課題として「ホスピタリティ産業(飲食、休憩、土産、宿泊等)の充実」を挙げている。高岡市は「旅行は、観光地を見学するだけでは成立しません。観光地周辺、もしくは拠点となる地域・施設には、飲食、休憩、土産、宿泊等といった、ホスピタリティ産業の存在は欠かせません。そうした役割を担う方々との連携のほか、新規の立地を誘導する仕組みや仕掛けが必要です」と述べている。

クジラは新店開業について「地域のコミュニティを育み、“ORDINARY(日常)”の文化体験価値を世界へ伝えていきます」と述べている。まち全体を大きなホテルと見立て開発し、地域の回遊を促す『SEKAI HOTEL』は、高岡市の課題解決に寄与する施設になりそうだ。

■「SEKAI HOTEL」公式サイトはこちら

【参照記事】
・中古住宅リノベーションのクジラ 山本直延が取締役に、渡辺優がグループ企業取締役に就任。分散型ホテル「SEKAI HOTEL」全国展開最初の地域を富山県高岡市に決定。
・SEKAI HOTELがパートナーシップ事業を用いた全国展開の開始を発表
・空き家の解決を軸に国際的観光拠点を創造 クラウドホテル「SEKAI HOTEL」を大阪に6月15日OPEN
・昔ながらの商店街を活かす「SEKAI HOTEL 布施」東大阪にオープン。“日常”こそが文化体験に。
【参照サイト】
高岡市|高岡市観光振興ビジョンを策定しました

(HOTELIER 編集部)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

太陽光の「TRENDE」

太陽光発電を無料で設置して、電 気代を10%カット。「ほっとでんき」

詳細を見る

初めての不動産投資なら...

1万円から始める、クラウドファンディング型の不動産投資「SAMURAI」

詳細を見る

ホテル運用代行をお探しの方

全国の一室から、建物一棟まで様々な宿泊施設の運営代行を行う「オックスコンサルティング」

詳細を見る