2019年10月「京の温所 西陣別邸」開業、京町家の趣を残し現代的にリノベーション

2019年10月「京の温所 西陣別邸」開業、京町家の趣を残し現代的にリノベーション

株式会社ワコールが展開する京町家をリノベーションした宿泊施設『京の温所(おんどころ)』が、5軒目となる「京の温所 西陣別邸」を2019年10月1日に京都市上京区にて開業することが分かった。

『京の温所』のコンセプトは「ひとつの旅が暮らしの深呼吸のように感じられるひととき」。2018年4月に1軒目となる「京の温所 岡崎」(定員最大6名)を左京区岡崎にて開業した。その後、2018年8月に二条城東エリアに「京の温所 釜座二条」(定員最大4名)、2018年11月に御所南エリアに「京の温所 御幸町夷川(ごこうまちえびすがわ)」(定員最大4名)、2019年3月に御所南エリアに「京の温所 麩屋町二条(ふやちょうにじょう)」(定員最大8名)を開業している。

「京の温所 西陣別邸」は、ミナペルホネンのデザイナーである皆川明氏と、建築家の中村好文氏がディレクションした町家宿だ。京都市営地下鉄「今出川」駅から徒歩19分、京都市バス停「今出川浄福寺」から徒歩1分でアクセスできる。建物は、京都市内中心部から少し離れた西陣エリアにある築役95年の優雅な佇まいの邸宅だ。元々は西陣織を生業とする商家がお客様をおもてなしするために建てた京町家だといい、その町家を現代生活に寄り添ってリノベーションした。

延床面積は196平方メートルで、普通自動車2台が停められる専用ガレージもある。1階にはキッチン&ダイニング、カフェスペース、和室2室、中庭、お風呂、洗面、トイレを用意している。2階にはベッドルーム2室、ライブラリールーム、シャワーブース、洗面、トイレを用意している。宿泊料金は1泊15万円(税抜)で最大8名が宿泊可能だ。

住まいとして考えられた空間には、暮らすようにその土地に親しみ、京都に滞在する喜びへと繋がるさまざまなアイデアが盛り込まれている。例えば、1階にはワインセラーを備えた使い勝手の良いキッチンと、町家ならではの火袋の構造を活かした吹き抜けの広々としたダイニングがある。京の食材を選び、料理し、食べるという贅沢な体験をしてほしいという思いが込められている。

ベッドルームは中村好文氏こだわりのアーチ天井となり、ミナペルホネンのファブリックを使ったヘッドボードを備えている。また、宿のあちこちに設置された皆川明氏セレクトのアートピースが『京の温所』での暮らしに豊かな彩りを添えている。加えて、中庭を臨むヒノキ風呂と光が降り注ぐシャワールームや、ブックディレクター・幅允孝氏がセレクトした約60冊の書籍が並ぶカフェスペースとライブラリールームも特長的だ。

施設の主な付帯サービスとして、スーツケースなどの荷物預かりや運搬サービス、予約時に季節ごとの京都での過ごし方を提案する「暮らしの提案帖」の提供がある。また、宿泊者の要望に応じて周辺のお店情報を提供したり、京都の味を楽しめる調味料セット付プランや、歳時記に応じたプランの提供もするという。

ミナペルホネンのデザイナー・皆川明氏は、同施設について次のようにコメントした。「この家を初めて訪ねた時、持主のご主人と奥様の温かなお迎えは今でも心に残っている。家は住まわれる方の暮らしを表しているかの様に心地よさを携えていた。その家は中村好文さんによって現代の暮らしと旅人の寛ぎを融和する空間となり、所々に生まれた新たな設えは様々な和らぎと過ごし方を訪れる人に味わっていただけるだろう。この宿で過ごすひと時が日常の延長の中にある一雫の光のようになりますように。」

また、建築家の中村好文氏は次のようにコメントした。「「改修工事に必要な建築家の能力は?」と問われたら、即座に「デザイン的な運動神経」または「反射神経」と応えるでしょう。現場の状況をいち早く判断し、建築的に対応するためには、なによりも「当意即妙なアドリブのセンス」が必要だからです。「西陣別邸」の現場は、ぼく自身のそうした能力をフルに発揮することのできた手応えとやり甲斐ある仕事でした。この改修工事に関われたことは、ぼくの建築家人生にとってもかけがえのない大きな財産になりました。」

「京の温所 西陣別邸」は定員8名と大人数で宿泊できることに加え、延床面積はこれまで開業したどの施設よりも広い。ミナペルホネンの柔らかい雰囲気に包まれ、家族や気心の知れた仲間たちとプライベートな時間を過ごすとができるだろう。

京町家の美しい景観や伝統文化・生活文化・精神文化は京都の貴重な財産であると同時に、魅力あるまちづくりの資源である。しかし所有者の高齢化や継承の減少、建物の維持・修繕にかかる資金や技術的な問題などを背景に、京町家は2008・2009年度~2016年度の7年間で5,602軒が滅失し、空き家は832軒増加している。

そこで京都市は、京町家の価値を見直し保全・継承に繋げるため、2017年11月に「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」を制定し2018年5月から全面施行した。さらに、京都市内に存在する全ての京町家(約4万軒)を対象に可能な限り保全・継承に結び付けることを目標に、2019年2月に「京都市京町家保全・継承推進計画」を策定している。

ワコールが宿泊事業へ参入したのは「歴史的価値のある京町家・古民家を保全・有効利用しつつ、地域の生活環境改善やコミュニティ形成にも役立ちたい」という思いからだ。京町家の保全・維持に繋がる『京の温所』の展開が、今後も積極的に行われることを期待したい。

■「京の温所」公式サイトはこちら

【参照記事】
・ミナペルホネン 皆川明と建築家 中村好文がディレクションする京町家宿 『京の温所(おんどころ) 西陣別邸』が西陣エリアに2019年10月1日オープン
・京都で過ごす“あたらしいもうひとつの日常”。京町家をリノベーションした宿泊施設『京の温所(おんどころ) 岡崎 』、2018年4月28日オープン。
【参照サイト】
・京都市京町家の保全及び継承に関する条例について
・京都市京町家保全・継承推進計画

(HOTELIER 編集部)

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