分散型古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」が2019年8月オープン、村全体の観光資源を最大限に活用

分散型古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」が2019年8月オープン、村全体の観光資源を最大限に活用

古民家再生による地方創生を手掛ける株式会社EDGEが、山梨県・小菅村との共同事業として、築150年以上の地元名士の邸宅を改修した古民家ホテル『NIPPONIA 小菅 源流の村』を2019年8月17日に開業することが分かった。8月1日より『一休.com』にて宿泊予約受付を開始する。

『NIPPONIA(ニッポニア)』は、「なつかしくて、あたらしい、日本の暮らしをつくる。」という理念のもと、一般社団法人ノオト/株式会社NOTEが主導している。全国各地に点在して残されている古民家を、その歴史性を尊重しながら客室や飲食店、または店舗としてリノベーションを行い、その土地の文化や歴史を実感できる複合宿泊施設として再生していく取組みだ。最近の動きでは、2019年7月1日に『NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道』、7月5日に『NIPPONIA 美濃商家町』を開業しており、8月1日には『NIPPONIA HOTEL 竹原製 塩町』を開業予定だ。

『NIPPONIA 小菅 源流の村』が開業する小菅村は、東京から約2時間の多摩川源流に位置する。面積の95%が森林と豊かな自然に囲まれた人口約700人の小さな村だ。小菅村の人々は自然とともに共生してきた文化から、森を守る活動が100年以上も前から続いており、小菅村の森林には天然記念物のニホンカモシカや野鳥、数多くの山野草が自生する美しい自然と日本の原風景がまだ多く残っている。そんな小菅村は、人口がピーク時の3分の1にまで減少するなど、深刻な過疎高齢化に直面している。

村役場では、過疎高齢化の問題に歯止めをかけるため、2016年に「小菅村地方創生総合戦略」を策定した。村の情報発信基地「道の駅こすげ」の開業、村づくり会社「株式会社源」の設立など、地方創生に向けた数々の取り組みを村ぐるみで行ってきた。その結果、直近5年間(2014年~2018年)で観光客数が約8万人から約18万人へと約2.2倍に増加し、山梨県内で最も大きい増加率となった。そして、22世帯75人の子育て世代が移住してきたことで、村の小学校の児童数が23人から36人に増加し、さらには新たなベンチャー企業が5社誕生するなど、小菅村は地方創生の成功モデルとして全国から注目されている。

一方で、村内の既存の旅館・民宿が経営者の高齢化のため廃業が相次ぎ、宿泊キャパシティが不足していることが観光収入の確保や観光の産業化のボトルネックになっていた。そこで村役場が主導し、新たな宿泊施設を設立するため新会社「株式会社EDGE」を2018年に設立した。その第1弾プロジェクトとして、過疎化と空き家の課題解決と観光資源を生かせるモデルとなる『NIPPONIA小菅 源流の村』を開業するに至ったという。同ホテルは「700人の村が一つのホテルに。」をコンセプトに、地域全体を一つの宿に見立てる分散型古民家ホテルとして開業する。

“分散型ホテル”は、その名の通り地域内にホテルの客室を分散させるホテルの形態だ。兵庫県篠山市で国家戦略特区制度を適用し、2015年10月にオープンした『篠山城下町ホテルNIPPONIA』が全国の先駆けとなった。2018年6月改正旅館業法の施行後、国家戦略特区でなくても地域に分散した施設をまとめて一つのホテルとして営業許可を得られることになったことから、分散型ホテルは地方創生の切り札として注目を集め、全国に広がりつつある。

『NIPPONIA小菅 源流の村』もこの形態を適用した。地域内に点在する空き家をリノベーションして宿泊施設にすることで、地域内の食堂・商店・温浴施設「小菅の湯」、野外体験施設「フォレストアドベンチャー・こすげ」などを積極的に利用してもらい、地域全体で観光客をもてなす事業モデルとなる。これにより、小菅村全体を一つの宿に見立て、村全体の観光資源を最大限に生かすことが出来るとしている。

ホテルを運営するスタッフは全員が村人であり、食材もほとんどが小菅村の農家が栽培したものを用いるという。またホテルの中だけでなく、スタッフとともに周辺の自然を散策し、自転車で村全体を巡り、村人と触れ合うことで村全体を感じられる体験を提供する。このホテルに泊まってもらうことが、小菅村の歴史文化や暮らしを守ることにも繋がるとしている。

今回はプロジェクトの第1期として、江戸時代末期から続く築150年超の地元名士の邸宅「細川邸」(主屋・長屋門・土蔵の3棟)を改修し、屋号である「大屋」に因み、客室4室および22席のレストランを「OHYA棟」と名付け開業する。「OHYA棟」の788平方メートルという壮大な敷地には、養蚕を営んでいた歴史を物語る高く太い梁を持つ主屋と、家の格を表し客を迎え入れた長屋門と蔵、かつての家主が肝いりで作り上げた美しい日本庭園が広がる。客室は主屋に3部屋、蔵に1部屋あり、各部屋にトイレとバスルームを設けた。それぞれの部屋でコンセプトが異なり、2つとないプライベート空間を楽しめる。

また、入り口の長屋門はレストランとして生まれ変わり、日本の四季をさらに6に分けた「24sekki(二十四節気、にじゅうしせっき)」をコンセプトに、村の旬の食材を厳選し提供する。「生産者の顔が見える、流通していない地元の食材を使いたい」という想いから、小菅村の小生産者が作る食材を用いた料理を提供する。

2020年5月には新たに古民家2棟を改修し、客室2室が加わるという。中長期的には、村の中に70~100棟ほどあると言われている空き家の中から、家主の合意が得られたもの、特徴的で立地が良いものを順次客室に改修し、「700人の村が一つのホテルに。」のコンセプトを実現すると述べている。

村を挙げての取り組みにより観光客数が増えるなど、地方創生の成功モデルとして注目される小菅村。同ホテルも小菅村が抱える問題の解決と、観光客誘致や経済発展に寄与していくだろう。豊かな自然に加え温泉やアクティビティもあり、この地ならではの体験と充実した滞在ができそうだ。

■「NIPPONIA小菅 源流の村」予約ページはこちら

【参照記事】
多摩川源流、700人の村が一つのホテルに。地方創生の切り札、分散型古民家ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」が山梨県小菅村に2019年8月17日(土) グランドオープン
【参照サイト】
・「NIPPONIA 美濃商家町」が岐阜県美濃市にオープンします。
・「NIPPONIA HOTEL ⽵原製塩町」が広島県竹原市にオープンします。

(HOTELIER 編集部)

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