訪日外国人の増加で、ホテルの建設ラッシュが続く名古屋。供給過多を懸念する声も。

近年の訪日外国人の増加やリニア中央新幹線の開業もあり、名古屋市中心部では続々とホテルの建設が進んでいる。各ホテルでは部屋の広さや内外装で工夫をこらし、他社との差別化を図っているが、一部では供給過多を心配する声も出ている。

2019年1月18日にオープンしたばかりの全216室の「ホテルJALシティ名古屋 錦」は、地下鉄伏見駅の徒歩圏に所在する。名古屋駅からも徒歩10分でアクセスできる好立地で、宿泊料は一泊1万2000円ほど。堀川沿いの立地を活かし、各室の床を水流のようなデザインにも注目だ。総支配人の大山哲生氏は「シングルルームがなく、いずれも広めの部屋を用意した」とアピールしており、大きめのバスルームやミラーリング機能付きの4Kテレビが注目を集めている。

JALシティの運営会社であるオークラ ニッコー ホテルマネジメントは、「ホテルJALシティ名古屋 錦」から徒歩わずか数分の場所に、別ブランド「ニッコースタイル」のホテルを建設中。こちらは、宿泊客と地元住民が交流できるロビーを設ける計画だという。

大和ハウスグループのダイワロイヤルホテルシティは、2019年4月に「ダイワロイヤルホテル D-CITY 名古屋伏見」を開業予定。歌舞伎の劇場「御園座」に近いことから、木を多用し「和」の雰囲気を演出する。そのほか、同年6月にはユニゾグループの「ホテルユニゾ名古屋駅前」が開業予定。アパグループは、名古屋駅周辺にアパホテルを計3棟新設する。

不動産サービス大手のCBREによると、名古屋市のホテル客室数は2016年に1万9千室程度だったが、以降2020年前後までに新規の開業分で6千室ほど増える見通しだという。愛知県のビジネスホテルの稼働率は、全国平均を上回る高水準で、需要に対し供給が足りないという認識が業界的には一般的。しかし一部では、インバウンドへの期待が先行しすぎており、いずれ供給過多になるという懸念も広がっている。

観光庁の平成29年宿泊旅行統計調査によると、愛知県の外国人延べ宿泊者数は約254万人泊で、前年と比べ+6.3%上昇。全国で8番目の宿泊者数となった。東京や大阪、京都といった人気都市だけでなく、近年は地方へ足を運ぶインバウンドが増加している中、それらの観光拠点となるターミナル都市のホテル数増加は必要不可欠と言える。

今後も各ホテルが趣向を凝らした宿泊施設をつくり、差別化を図ることで、一層ホテル業界が盛り上がっていくことを期待したい。

【参照記事】
名古屋でホテル建設続々 訪日客に期待 供給過多の声も
【参照サイト】
宿泊旅行統計調査

(HOTELIER編集部)


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