JR四国が松山市の「道後やや」を取得、JR四国ホテルズが運営し観光列車とのセットも検討

JR四国が松山市の「道後やや」を取得、JR四国ホテルズが運営し観光列車とのセットも検討

2018年12月25日、四国旅客鉄道株式会社(以下:JR四国)が、愛媛県松山市にあるホテル「道後やや」を取得したと発表した。運営はグループ会社である株式会社JR四国ホテルズが行う。

「道後やや」は、2010年に株式会社エイトワンが総工費約10億円を投じて建設した。松山市道後多幸町の“道後温泉街”の一角に位置する、宴会場や大浴場を備えていない宿泊主体型ホテルだ。道後温泉本館・椿の湯・飛鳥乃湯泉が徒歩圏内にあることから、気軽に外湯を利用できる立地にある。

サービスや食事で高い評価を受けており、楽天トラベルアワードのレジャー部門で何度も金賞を受賞している人気の施設だ。鉄筋コンクリート造りの8階建てで、客室はシングル29室・和洋室38室など合計68室を備えている。施設の利用者はビジネス客と日本人観光客が半数ずつで、外国人客は数%だという。年間の売上高は約2億5,000万円。

このたび、宿泊事業の拡大に取り組んでいるJR四国と、タオル事業などが本業のエイトワンとの協議が整い、同施設を取得することとなった。エイトワンの社長が、予讃線を走る観光列車「伊予灘ものがたり」で料理を提供する会社の元オーナーだったといい、JR四国と取引関係にあった。本業の選択と集中を進めていたエイトワンからJR四国へ売却の打診があり、松山への進出を検討していたJR四国が受けた。

JR四国は本業である鉄道事業で赤字が続き、宿泊事業を強化している。同社は2018年4月に「4S STAY 京都九条」(京都府)、10月に「JRクレメントイン高松」(香川県)、11月に「4S STAY 阿波池田駅前」(徳島県)を開業した。同社は四国4県の県庁所在地のうち、松山と高知でのホテル事業は行っていない。まずは松山にて既存施設を使い、事業を展開する方針だ。代表取締役社長・半井真司氏は、四国の県庁所在地を中心にホテルの展開を考えていたといい、定例記者会見にて「観光地として知名度が高い道後をPRしたい。観光列車とのセットも考えたい」と述べた。

JR四国ホテルズは『JRクレメントイン』を高松で1軒、『JRホテルクレメント』を高松で1軒・徳島で1軒・宇和島で1軒運営している。現在同社は「道後やや」の営業許可を申請中だ。2019年1月末まではエイトワンが運営し、2月1日よりJR四国ホテルズが運営する予定だ。また、施設の屋号やロゴおよび運営方針などは当面は現状を継続する予定で、スタッフらも希望すればそのまま雇用を継続するという。

松山市の調査によると、2017年の観光客推定数は600万5,100人、外国人観光客数は19万5,300人となった。全体の観光客数・外国人観光客ともに5年連続で増加している。市内全体の宿泊者数は、2000年以降で過去最高の264万6,200人を記録した。一方で、2017年の道後温泉の入浴客数(本館・椿の湯・飛鳥乃湯泉の合計)は110万3,172人で、前年比98.6%となった。ここ数年、入浴者数は横ばいである。

道後温泉は「日本書紀」に登場し、日本最古の温泉と言われている。もし観光列車とホテルをセットで販売できれば、松山市を訪れる観光客をもっと道後に呼び込むことができるだろう。歴史ある温泉地をどのようにPRできるか、JR四国の動向に注目していきたい。

■「道後やや」公式サイトはこちら

【参照記事】
・JR四国、道後でホテル運営へ 観光列車とセットも
・JR四国 「道後やや」買収へ
【参照サイト】
・道後地区でのホテルの取得について
・平成29年松山市観光客推定表

(HOTELIER 編集部)

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