那覇市が民泊の独自条例案を可決、県の条例より規制範囲を広げ市民の安全を重視。




那覇市が民泊の独自条例案を可決、県の条例より規制範囲を広げ市民の安全を重視。

5月9日に行われた那覇市議会(議長:翁長俊英)の臨時会本会議にて、6月15日施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)の条例案を全会一致で可決した。

民泊新法で独自条例を制定するのは、那覇市が全国で8例目になるとみられ、沖縄県の条例よりも規制範囲を広げる。観光客増加に伴い宿泊需要も増えるが、現時点で市内の宿泊施設の不足はないとして、住民生活の安心・安全を重視する。

さらに、以下4点を同市に求めた附帯会議も、全会一致で可決した。
1.市民の生活環境を守るために必要な実施要綱を、一日も早く策定すること。
2.事業者、管理業者及び仲介業者の確実な法令遵守を実現するため、環境衛生監視員及び同補助員の増員、警察をはじめ関係機関との連携等体制強化に向けたあらゆる施策を積極的に講じること。
3.事業者及び管理業者に対し、騒音問題、迷惑駐車問題、ごみ出し問題等市民生活に関わる問題の発生を未然に防ぐ仕組みの構築、発生した際の適切な対応の確立、市民への説明及び周知徹底を求めること。
4.本条例の運用状況や本市における住宅宿泊事業の状況を、毎年度調査及び検証し、議会や市民に公開すること。

2017年の同市の調査では、市内の民泊施設622軒のうち、旅館業法の許可を取っていない“違法民泊”は522軒に上った。全体の8割以上を占め、2017年度に同市が受け付けた苦情は450件を超えたという。

厚生経済委員会では条例内容を評価する声もあったが、条例制定に向けた作業開始が遅く、パブリックコメント期間が規定の1カ月よりも短くなったことへの指摘もあった。条例運用後の職員体制や、問題発生を防ぐ仕組みを求める声も相次いだようだ。

同市の条例案では、県条例と同様に住居専用地域(第1種・第2種低層住居専用地域、第1種・第2種中高層住居専用地域)を制限区域とし、年間営業日数を約110日にした。加えて、第1種住居地域で営業する「家主不在型民泊(管理業者駆けつけ型)」は、営業日を日曜日正午から金曜日正午までに制限し、年間営業日数を約110日にした。一方、同地域で家主や管理業者が常駐する「家主居住型民泊」は、民泊新法の要件を適用し年間営業日数を180日とした。

学校周辺では、学校敷地周囲100メートルとする県条例の範囲に則った上で、文教地区まで適用範囲を広げ、学校の休業日を除く年間約120日を営業可能日数と制限した。

第1種住居地域に限り、家主居住型民泊と家主不在型民泊で規制に差をつけ、ひとくくりにしなかった点でも独自色を出している。家主居住型民泊について、市は「暮らしや文化を体験する観光交流コンテンツ」と評価した。

【参照記事】
那覇、民泊条例を可決 来月15日施行 県より規制拡大
【参照サイト】
・「議案第 75 号 那覇市住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例制定について」に対する附帯決議
・那覇市|「民泊」に関すること
・沖縄県|住宅宿泊事業に関すること
【コーポレートサイト】
・沖縄県
・那覇市
・那覇市議会
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(HOTELIER 編集部)

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