住宅宿泊事業法(民泊法)、衆院選実施の影響で国会議論不十分。18年6月施行に不安




住宅宿泊事業法(民泊法)、衆院選実施の影響で国会議論不十分。18年6月施行に不安

来年6月施行が決定している住宅宿泊事業法(民泊法)だが、先の衆院選の影響で非合法な「ヤミ民泊」事業者への監視体制の強化を狙う旅館業法改正案が国会で議論できておらず、本格的なスタートを前に政府内で不安が広がっている。

政府・与党は、住宅の空き部屋などを旅行客に貸し出す際の民泊ルールを定めた「住宅宿泊事業法」(民泊新法)と改正旅館業法、さらには旅館業法の規制緩和を盛り込んだ改正旅館業法施行令の3つを、来年同時に施行することを目指してきた。民泊新法は「全国的な民泊の解禁」、旅館業法の改正案は「違法民泊への罰則強化」、旅館業法施行令の改正は「旅館業法の許可取得の規制緩和」を、それぞれ主な目的としている。

旅館業法改正案は、3月に厚生労働省が通常国会に提出。違法民泊の無許可営業者に対する都道府県知事などによる報告徴収や立入検査などの実施のほか、ヤミ民泊に対する罰金の上限額を3万円から100万円にする内容などが盛り込まれているが、通常国会では成立せず継続審議となっていた。この秋の臨時国会での成立が期待されていたが、突然の衆院解散・総選挙で年内の国会審議と法案処理に暗雲が漂っている。

石井啓一国土交通相は先月24日、閣議後の記者会見で「新たな制度の下で健全な民泊サービスの普及を図り、訪日客を2020年に4千万人、消費額8兆円の目標達成を実現する」と強調しているが、観光庁内では「現状のままで民泊がスタートすると、制度がバランスを欠いてしまう」との声があるという。

遅くとも18年の通常国会で旅館業法改正案を成立させなければ、同年6月の施行には間に合わない。東京や大阪の宿泊施設不足が懸念される20年の東京五輪・パラリンピックまでに、健全な民泊市場の整備ができるか。宿泊事業者からの期待は大きい。

【参照記事】
民泊、宙に浮く監視法案 衆院選で18年6月施行に不安
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「ヤミ民泊」一掃へ 旅館業法改正で罰金上限額3万円→100万円に

(HOTELIER 編集部)

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