2019年12月の訪日トレンド、キーワードは「雪」白川郷は6カ国で検索数1位に 北海道も人気

アジア9拠点でマーケティングやアセットなどのグローバルコンサルティングを展開するアウンコンサルティング株式会社は2019年11月19日、『2018年12月の検索トレンド調査と2019年の予測』を発表した。

これは、インバウンドプロモーションの向上を目的として、昨年のデータから今年12月の訪日客の検索トレンドを予測するため、世界12の国と地域を対象に2018年12月の日本国内の200以上の観光地における検索数を調査し、ランキングを作成したものである。

2018年の1年間で12月に検索数のピークを迎える観光地を国別にランキングにした結果、12月になると温泉地・スキー場への関心が多く集まることが分かった。温泉地に関してはベトナム・イギリス以外の全ての国で、スキー場に関しては、韓国・ベトナム・インドネシア以外の全ての国で20位以内にランクインしていることが分かった。

その他、冬ならではの風景を楽しめる観光地もランクインしており、特に「白川郷」については香港・タイ・シンガポール・マレーシア・フィリピン・オーストラリアの6カ国で1位という結果となった。また、北海道の観光地の検索数も増加傾向にあり、「旭山動物園」「小樽運河」「神田山動物園」「ニセコ グランヒラフ」「ルスツリゾート」などが20位以内にランクインしている。

以下のグラフは、台湾・香港における「蔵王樹氷」の検索数を表したものだ。特に台湾では12月ごろから検索数が上昇し、12月の数値は同時期の「富士山」の検索数に匹敵する多さだという。

また、兵庫・岡山・広島・山口・香川・徳島・愛媛からなる“せとうちDMO”は、2019年3月に東北と連携してイギリスの旅行会社を招聘し、広島市内観光、しまなみ海道サイクリング、宮城県ニッカウイスキー蒸留所訪問、蔵王樹氷巡りを行うなど、訪日客の中でも滞在期間の長い欧州人をターゲットとしてプロモーションを行っている。そのため、今後は東アジアに留まらず知名度を上げていくことが予測できるという。

他にも「なばなの里」「地獄谷野猿公苑」「ルスツリゾート」などが12月に検索数のピークを迎えている。「なばなの里」は東南アジアから、「地獄谷野猿公苑」はアメリカからの検索が多く、同じ冬の観光地でも国籍によって興味関心を寄せるものが異なることが分かった。

冬の観光地は「ターゲットとなる国の特性を理解してから行うことが鍵」となる。12月からの冬のシーズンは「雪」がキーワードだ。しかし、もともと雪が降る環境であまり珍しく感じない地域の人や、近隣地域に日本より雪の観光地が楽しめる場所がある人にとってはニーズが低い可能性があり、その点では、東南アジア向けの雪の観光地のプロモーションは効果的であると言える。

アウンコンサルティングは「2018年の1年間のデータからもわかるように、東南アジアの訪日市場へのインパクトはとても大きいものと言えます。ターゲットの国の文化や特徴をしっかりと理解した上で、戦略的なWebプロモーションを行うことが重要です」と述べている。

【2018年の1年間のデータ】※括弧内は前年比
・タイ 106.0万人(15.4%増)
・シンガポール 39.6万人(8.8%増)
・マレーシア 42.6万人(6.9%増)
・インドネシア 33.0万人(13.3%増)
・フィリピン 42.6万人(20.8%増)
・ベトナム 13.5万人(26.9%増)

今回の調査で6カ国で1位になった「白川郷」は冬に検索数のピークを迎えるが、オフシーズン中も東南アジアを中心に一定の検索数を保っている。2018年9月の検索数はインドネシアで2位、シンガポール・マレーシアでは4位だった。以下のグラフを見ても、これら3カ国は年間を通して「白川郷」の検索数が多いことが分かる。加えて、2018年12月の検索数ではタイ・シンガポール・マレーシア・フィリピンで「白川郷」が検索数1位となっている。

また、12月に検索数が増加する傾向のある北海道は、同社が2019年5月に発表した『世界13カ国の親日度調査 vol.2』で、13カ国中9カ国が今後行きたい観光地として「北海道」と回答しており人気の高さがうかがえる。東南アジアの中でも訪日客数の伸び率が高かったベトナムに注目すると、北海道の宿泊者数の伸び率(2017年ー2018年比)は18.2%だった。

同社は、訪日客のリピーター化には「訪日時に満足頂けるサービスを提供することはもちろん、訪日後に定期的に接点を持ち続ける事」が必要不可欠としている。2019年6月に発表した『東南アジア訪日トレンド調査』の中で、東南アジアからの訪日客をリピーター化する方法について次のように述べている。

「東南アジア向けのインバウンドWebプロモーションといっても、対象国の言語や宗教、休暇制度などの文化的な違い、利用する検索エンジンや情報収集を行うSNSやメディアによって大きく異なります。 例えば、日本国内向けのマーケティング手法としては一般的な手法としてあまり実施されていないインフルエンサー施策など、東南アジアでは 一般的なマーケティング手法として確立されているものなどがあります。」

冬だからこそできる体験を求めて日本へ訪れる東南アジアからの観光客には、インフルエンサーにウィンタースポーツや雪景色などを体験してもらい、SNSなどで発信し観光地をPRすることが有効だと考えられる。そのPRが雪の降る時期だけでなく、継続的な誘客と観光客増加に繋がるよう、インフルエンサーと協力していく必要もあるだろう。

【参照記事】
・【白川郷】は6カ国で1位、北海道の観光地も上位ランクイン -雪にまつわる観光地は東南アジアへのプロモーションを-
・【 2018年9月の検索トレンド調査と2019年の予測 】台湾・香港は『軽井沢』や『上高地』、東南アジアは『白川郷』
・訪日客、今後行きたい観光地は9カ国で北海道が1位【世界13カ国の親日度調査 vol.2】
・<検索数から見る>【東南アジア訪日トレンド調査】主要観光都市への関心度について

(HOTELIER 編集部)


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