中小企業の雇用、宿泊・飲食サービス業の不足感は正社員・非正社員ともに6割超え

中小企業の雇用、宿泊・飲食サービス業の不足感は正社員・非正社員ともに6割超え

日本政策金融公庫は2019年2月26日、「中小企業の雇用・賃金に関する調査」の結果を発表した。これは2018年10~12月期を調査したもので、調査対象は同公庫の取引先(中小企業事業)12,989社、有効回答数は4,671社である。

2018年12月における正社員の不足感を見ると、全業種計で「不足」と回答した割合は60.8%(前年比2.8ポイント上昇)、「適正」は34.5%(同2.5ポイント低下)、「過剰」は4.7%(同0.3ポイント低下)だった。「不足」の回答を業種別に見ると製造業59.7%、非製造業61.8%で、ともに6割程度となった。非製造業の10業種では運送業83.5%、建設業74.7%、情報通信業72.7%などで「不足」と回答した割合が多かった。また、宿泊・飲食サービス業は61.3%だった。

非正社員の過不足感では、全業種計で「不足」が40.0%(前年比0.4ポイント上昇)、「適正」が55.1%(同0.7ポイント上昇)、「過剰」が4.9%(同1.1ポイント低下)だった。「不足」の回答を業種別に見ると製造業41.0%、非製造業39.0%だった。非製造業の10業種では、宿泊・飲食サービス業が67.4%と最も多く、唯一5割を超えている。次いでサービス業48.7%、運送業48.0%などで「不足」と回答した割合が高かった。

人手不足の影響については、「売上機会を逸失」と回答した企業割合は37.7%と最も高かった。次いで「残業代、外注費等のコストが増加し、利益が減少」29.1%、「納期の長期化、遅延の発生」13.8%だった。人手不足への対応について複数回答(最大2つ)で聞いたところ、「従業員の多能工化」が41.8%と最も多かった。次いで「残業を増加」38.6%、「業務の一部を外注化」33.8%、「業務プロセス改善による効率化」22.5%、「設備導入による省力化」17.7%となった。

正社員数の増減では、全業種計で「増加」は32.1%(前年比1.3ポイント上昇)、「変わらない」は48.4%(同2.1ポイント低下)、「減少」は19.5%(同0.8ポイント上昇)だった。2019年の見通しでは「増加」36.5%、「変わらない」55.2%、「減少」8.3%となった。業種別に見ると情報通信業が60.5%と最も多く、次いで運送業34.7%、製造業34.0%などで「増加」と回答した割合が高かった。

非正社員の増減では、全業種計で「増加」が20.6%(前年比0.1ポイント上昇)、「変わらない」は65.3%(同0.9ポイント低下)、「減少」は14.1%(同0.8ポイント上昇)だった。2019年の見通しでは「増加」18.4%、「変わらない」72.1%、「減少」9.6%となった。業種別に見ると製造業23.8%、サービス業21.6%、運送業21.3%などで「増加」と回答した割合が高かった。

従業員の増加理由では、正社員は「将来の人手不足への備え」が54.1%と最も高く、将来を見据えて人材育成に取り組む姿勢がうかがえる。また「受注・販売が増加」の割合も高く、業況の回復の影響もみられるようだ。非正社員は「受注・販売が増加」が49.7%と最も高かった。減少理由では、正社員は「転職者の補充人員を募集したが採用できず」が59.3%と最も高い。雇用環境の改善が続くなか、思ったように採用ができない現状がうかがえる。非正社員も同じ理由が40.7%と最も高かった。

賃金の状況を見ていくと、2018年12月の正社員の給与水準は前年と比べて「上昇」と回答した企業割合が57.4%となり、2年連続で上昇した。2019年の見通しでは、前年より「上昇」すると回答した起用割合は51.8%となり、引き続き半数を上回っている。「上昇」の割合を業種別で見ると、最も多いのは製造業で61.7%だった。次いで建設業58.5%、サービス業57.7%などで「上昇」と回答した割合が高い。宿泊・飲食サービス業は「上昇」50.7%、「ほとんど変わらない」49.3%、「低下」0.0%だった。

正社員の給与水準が上昇した背景では、「自社の業績が改善」が36.2%(前年比3.6ポイント低下)と最も高かった。次いで「採用が困難」25.4%(同3.2ポイント上昇)、「同業他社の賃金動向」12.4%(同0.2ポイント上昇)が続いた。業種別で見ると「自社の業績が改善」と回答した上位3企業は業務用機械56.3%、不動産業53.7%、情報通信業50.0%だった。また「採用が困難」と回答した上位3企業は倉庫業50.0%、水運業42.9%、宿泊・飲食サービス業41.0%だった。

このたびの調査で宿泊・飲食サービス業に注目すると、雇用に関して正社員・非正社員どちらも「不足」は6割を超えており、非正社員は67.4%とどの業種よりも突出している。人手不足の影響については「残業代、外注費等のコストが増加し、利益が減少」という回答が46.5%だった。訪日外国人の増加に伴い宿泊施設の開業が相次いでおり、今後も従業員の確保は難しい状況が続きそうだ。

【参照記事】
中小企業の雇用、6割が正社員不足 非正社員は宿泊・飲食突出
【参照サイト】
・賃上げ企業割合は2年連続で上昇「中小企業の雇用・賃金に関する調査」結果~「全国中小企業動向調査・中小企業編」2018年10-12月期特別調査~

(HOTELIER 編集部)

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