日本人の“京都離れ”が加速、外国人宿泊客が増加する一方で日本人宿泊者数は4年連続減少

日本人の“京都離れ”が加速、外国人宿泊客が増加する一方で日本人宿泊者数は4年連続減少

2019年3月1日、京都市観光協会と京都文化交流コンベンションビューローが「平成30年(2018年)外国人客宿泊状況調査(年間集計)」を発表した。

この調査は、2014年4月から京都市内の主要ホテル(2018年12月時点で52施設・11,234室)を対象に、国・地域別の調査(実人数・延べ人数・延べ部屋数)を毎月実施している。

このたび発表された調査によると、京都市内の主要ホテルに宿泊した日本人の実人数が、2018年12月まで21ヶ月連続で前年実績を下回ったことが分かった。ホテル関係者の間では、訪日客の増加で市内の観光地が混雑するようになったのが大きな要因だという見方が多いようで、日本人の“京都離れ”への懸念が高まっている。

2018年の日本人宿泊客数は206万2,716人・前年比-9.4%で、調査開始以来最大の下げ幅となった。前年から10万4,129人減っており、4年連続でマイナスとなった。総宿泊客数も329万1745人(同-4.4%)だった。月間の日本人宿泊客数は、2017年4月から前年同月比マイナスが続いている。西日本豪雨のあった6月は-12.6%、7月は-14.6%と大きく落ち込んだ。紅葉シーズンの11月は-10.7%、12月は-12.2%と二桁のマイナスとなった。

2018年は自然災害が多く発生したものの、外国人客に対する影響は限定的で、外国人宿泊客は122万9,030人(同+5.3%)となった。同協会が独自に行ったヒアリングによると、高価格帯ホテルにおいては、夏季の自然災害発生後も客室稼働率は特段減少しなかったという。これは、災害影響をあまり受けなかった欧米豪からの富裕層(成田・羽田経由)が主な顧客であることなどが要因として推測される。

「客室稼働率・利用割合の推移」を見ると、年間の日本人利用割合は減少傾向にあり、2014年の71.1%から2018年には56.1%となった。一方、外国人利用割合は安定的に増加し続け、2014年の28.9%から2018年には43.9%となっている。

こうした日本人客減少の要因について、市内に立地する複数のホテルの幹部や宿泊担当者は「訪日客の増加で京都の観光地や交通機関の混雑が広く知られるようになったため、敬遠されている」「“京都のホテルはいつも満室”という先入観が強い。実際はホテルが増えて予約は取りやすくなっているのだが」という見方を示している。また、外国人客が早めに宿泊予約を取ることや、客室価格の上昇で出張で訪れるビジネスマンが泊まりにくくなったのが要因だという指摘もあった。

同協会は、若者の旅行離れや所得の伸び悩みを日本人客減少の理由に挙げつつ、混雑対策も課題であるとしている。「外国人頼みだと、外交関係の悪化や災害などで客足が減ったときの影響が大きくなる。日本人と外国人のバランスが大事だ。大原や高雄、山科といった定番以外の観光地に分散させる取り組みに力を入れ、混雑を緩和させたい」と述べている。

京都市が行った「平成29年 京都観光総合調査」によると、2017年に京都市を訪れた日本人観光客のうち、京都観光で「残念なことがあった」と答えた日本人観光客は4割強いた。特に「人が多くて楽しめない」「バスがいつも混雑していて乗れない」「観光客のマナーの悪さ」といった回答が多く見られた。こうした混雑やマナーに関する“残念度”は2016年に比べ増加している。主要観光地への観光客の集中や交通機関の混雑を緩和するには、日本人も外国人もスムーズに移動できるわかりやすい表示を増やしたり、同協会が述べているように他の観光地も積極的にアピールしていく必要がある。

また日本人と外国人の消費額単価比較では、日本人消費額単価18,696円に対し、外国人消費額単価は34,593円で日本人の1.9倍だ。外交関係の悪化や災害などで外国人観光客が減った場合、経済面でも大きな影響を受けてしまう。外国人観光客向けの取り組みに力を入れるだけでなく、日本人観光客を増加させるための取り組みも始めなくてはならない。

【参照記事】
京都で日本人宿泊客の減少歯止めかからず 訪日客増で混雑敬遠か
【参照サイト】
・平成30年(2018年)外国人客宿泊状況調査
・平成30年(2018年)外国人客宿泊状況調査(年間集計)について~自然災害発生や客室供給量増加の環境下、インバウンドが伸長し、客室単価は上昇~
・平成29年 京都観光総合調査について

(HOTELIER 編集部)

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