2017年度の沖縄県内は全ホテルタイプで客室稼働率が2年連続8割超え、改装により客室単価も上昇

2017年度の沖縄県内は全ホテルタイプで客室稼働率が2年連続8割超え、改装により客室単価も上昇

沖縄振興開発金融公庫は2019年2月8日、『2017年度県内主要ホテルの稼働状況/県内主要ホテルの改装動向』を発表した。

はじめに『県内主要ホテルの稼働状況』について見ていく。2017年度の県内主要ホテル(調査対象ホテル:69軒)の稼働状況は、シティホテル・リゾートホテル・宿泊特化型ホテルの3タイプに分け、客室稼働率・客室単価などの主要指標について前年度との比較・分析を行った。

2017年度の客室稼働率は、シティホテルが81.1%(前年度比-1.6%ポイント)、リゾートホテルが81.2%(同-0.2%ポイント)、宿泊特化型ホテル 84.2%(同+0.6%ポイント)だった。シティホテルとリゾートホテルで前年度をわずかに下回ったが、宿泊特化型ホテルは前年度を上回った。

これは、国内・海外航空路線の新規就航および既存路線の増便、クルーズ船の寄港回数が増えたことなどを背景に、外国人客の増加が寄与したと考えられる。また、入域観光客数が過去最高の958万人(前年度比+81万人)と好調に推移したことから、2年連続ですべてのタイプで客室稼働率が8割を超える高水準となった。

客室単価は、シティホテルは13,480円(同+230円・+1.7%)、リゾートホテルは24,171円(同+568円・+2.4%)、宿泊特化型ホテルは8,367円(同+308円・+3.8%)となり、全てのタイプで前年度を上回った。入域観光客数の増加を受けて客室稼働率が高水準で推移したことから、全てのタイプで客単価は上昇基調で推移している。

販売可能な一室当たりの平均室料であるRevPARは、シティホテルは10,939円(同-21円・-0.2%)とわずかに下降したものの、リゾートホテルは19,630円(同+428円・+2.2%)、宿泊特化型ホテルは7,049円(同+308円・+4.6%) で、客室単価の上昇を主因として前年度を上回った。

ホテルタイプ別に1ホテルあたりの平均売上高をみると、シティホテルは19億3,100万円(同-900万円・-0.5%)、リゾートホテルは28億100万円(同+26百万円・+0.9%)、宿泊特化型ホテルは4億円4,900万円(同+2,800万円・+6.7%)だった。シティホテルでわずかに前年度を下回ったものの、その他のタイプでは宿泊収入の増加を主因として前年度を上回った。

客室稼働率と客室単価の2017年度/2016年度比のクロス集計から見た動向では、2017年度は入域観光客数の増加による客室稼働率の上昇を受け、客室単価を引き上げたホテルが多く見られた。69軒中55軒のホテルで客室単価が上昇し、このうち26軒のホテルで客室稼働率と客室単価がともに上昇した。また、RevPARが前年度を上回ったホテルは、69軒中51軒と全体の約7割を占めた。

続いて『県内主要ホテルの改装動向』を見ていく。施設改装の有無・目的・費用・改装した(する)客室数について、2015年度~2017年度の実績および2018年度~2020年度の予定を調査した(調査票送付75軒、うち有効回答55軒、回答率73.3%)。

県内主要ホテルについて2015年度~2017年度の改装実績の有無を尋ねたところ、2015年度は36.4%、2016年度は43.6%、2017年度は54.5%と、平均して約5割のホテルが「改装実績あり」と回答した(以下:改装実績があるホテル)。2018年度~2020年度の改装予定の有無では、「積極的に実施」「必要に応じて実施」を合わせ、2018年度は58.2%、2019年度は 70.9%、2020年度は61.8%で、概ね6割のホテルで改装の予定があることが分かった(以下:改装予定があるホテル)。

“改装実績があるホテル”の改装目的では、「経年劣化・老朽化への対処」や「定期的なメンテナンス」など、施設の維持を目的とした回答が多く見られた。また「運営効率化」を目的とする回答は年々増加し、ホテルが人手不足への対応や収益力の向上を図る姿勢が伺えた。改装の内容については、「客室」や「家具・什器・備品」が上位で、次いで「フロント等共用施設」が多いほか、「耐震改修」を実施したホテルもある。

“改装予定があるホテル”の改装目的では、”改装実績があるホテル”同様、「経年劣化・老朽化への対処」や「定期的なメンテナンス」が上位を占め、改装内容についても「客室」や「家具・什器・備品」の回答が多く見られた。

“改装実績があるホテル”の改装費用の総額は、1億円未満の改装が最多である一方、1億円以上の大規模な改装については年々増加し、耐震改修工事を実施したホテルもあった。“改装予定があるホテル”の改装費用総額(予定)は、いずれの年度も1億円未満が最多だった。1億円以上の大規模な改修も一定程度見られ、耐震改修や建物の外壁工事などを予定しているホテルもある。

“改装実績があるホテル”のうち、2015年度は約6割、2016・2017年度は7割以上が「客室改装実績あり」と回答した。この「客室改装実績あり」のホテルについて総客室数に占める改装客室数の割合を見ると、50%未満と回答した割合は2016・2017年度で約6割を占めた。100%以上と回答したホテルは平均して3割程度だった。

“改装予定があるホテル”のうち、2018年度は5割以上のホテルが「客室改装予定あり」と回答した。2019年度以降は「未定・無回答」の割合が徐々に増加するものの、4割前後のホテルが「客室改装予定あり」と回答している。築年数で見ると、“改装実績があるホテル”は築15年以上のホテルが約6割、“改装予定があるホテル”は築15年以上のホテルが7割以上を占めた。

“改装実績があるホテル”の客室単価について改装前の年度と実施した年度で比較すると、改装を実施した年度の客室単価が前年度に比べて上昇したホテルは、いずれの年度も約8割を占めた。客室にトリプルベッドルームを設けたことでエキストラベッド配置の手間が省けたり、貸出備品を各部屋へ備え付けたことで貸出対応にかかる手間が省けたりと、運営効率化を狙った改装の事例が見られた。加えてシステム関連では、業務用回線の更新により予約業務にかかる時間を短縮できたり、ホテルシステムの更新により宿泊関連のデータ集計にかかる時間を短縮できたという。

同金融公庫はこうした調査結果を受け、次のように述べた。「2017年度の県内主要ホテルの客室稼働率は2年連続、全てのタイプで客室稼働率が8割を超え、客室単価も前年度を上回る良好な結果となったが、競合激化により単価の引き上げが難しいとするホテルもあった。好調な観光需要を受けて、ホテルの新設が相次ぐ中、サービスの質や改装で他社との差別化を図るホテルも見られた。また、客室改装の実績があるホテルのうち、稼働率が高い状態のうちに、部分毎の改装であれば改装期間中の収益低下にも耐え得ると判断して客室改装を実施したホテルも見られた。調査結果によると改装を実施したホテルの大多数で客室単価が上昇しており、今後の客室稼働率と客室単価の推移が注目される。」

一方で、人手不足は深刻で従業員を募集しても集まらず、限られた従業員で繰り回しているホテルも多い。“従業員の満足度が顧客満足度を決める”との経営判断の下、ハード面ではシステムの改修など業務の効率化(生産性の向上)により、従業員の残業時間を削減できた。また、ソフト面では外国語や接遇などの研鑽を積んだ従業員への給与の増額を実施した結果、従業員満足度が向上し、サービスの質の向上に繋がるという好循環を生み出しているホテルも見られた。同金融公庫は「今後も、改装や良質なサービスの提供等による収益の向上を通じて、従業員の待遇改善や人材育成へ繋げるホテルの積極的な取組みに期待したい」としている。

客室の改装やメンテナンスは、宿泊客へのサービス向上のみならず従業員にとっても働きやすい環境が整うというメリットがある。今後も同様の取り組みを続けていくことで、沖縄県のさらなる観光客増加や観光収入の増加に寄与していくだろう。

【参照記事】
ホテルの客室、改装したら…稼働率に好影響 沖縄県内調査 客室単価も上昇
【参照サイト】
2017年度県内主要ホテルの稼働状況/県内主要ホテルの改装動向

(HOTELIER 編集部)

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