J.D.パワー ジャパンが「2018年 日本ホテル宿泊客満足度調査」を発表、宿泊客の期待は“体験の質”へシフト

J.D.パワー ジャパンが「2018年 日本ホテル宿泊客満足度調査」を発表、宿泊客の期待は“体験の質”へシフト

2018年11月16日、顧客満足度調査を行う株式会社J.D.パワー ジャパンが『2018年 日本ホテル宿泊客満足度調査』を発表した。同調査は、日本全国のホテルグループ・チェーン184ブランドを対象に、直近1年間に宿泊したホテルでの経験やサービスに対する満足度を調べたものだ。今年で13回目となる。

宿泊客満足度の測定にあたり、「予約」「チェックイン/チェックアウト」「客室」「料飲(F&B)」「ホテルサービス※」「ホテル施設」「料金」の7つのファクターを設定した。各ファクターがホテルの宿泊体験全体にどの程度の影響を与えているかを算出し、正規宿泊料金などにより、ホテルブランドを4つの部門に分けて調査した。(※ホテルサービス:レジャー/フィットネス施設、スパ、ビジネスセンター等、附帯施設やサービス全体の評価)

12ブランドが対象の『1泊35,000円以上部門』では、3年連続で「帝国ホテル」が1位となり、2位「星のや」、3位「ザ・リッツ・カールトン」だった。28ブランドが対象の『1泊15,000円~35,000円未満部門』では、1位「ホテル アソシア」、2位「ヒルトン」、3位「三井ガーデンホテル」だった。

15ブランドが対象の『1泊9,000円~15,000円未満部門』では、1位「リッチモンドホテル」、2位「ベッセルホテル/ベッセルイン」、3位「JR九州ホテル」だった。19ブランドが対象の『一泊9,000円未満部門』では、5年連続で「スーパーホテル」が1位となり、2位「アークホテル」、3位「ホテル 法華クラブ」だった。

最高価格帯の『1泊35,000円以上部門』の各ファクターの宿泊満足度に与える影響度合いは、2010年は「客室」が最大24%、続いて「ホテル施設」19%、ハード部分合計で43%のウェイトを占めていた。これが、2018年には「客室」18%、「ホテル施設」17%で合計35%となった。一方で、「料飲」が2010年の17%から2018年には21%となり、最大のウエイトを占める。加えて「ホテルサービス」も2010年の7%から2018年は11%と増加している。つまり、2010年は「客室」の品質が宿泊客満足度に大きな影響を与えていたが、2018年には「料飲」の品質が「客室」を上回る影響を持つようになったと考えられる。

この背景について同社は、宿泊客のホテル利用の変化が挙げられるとしている。2010年と比べ、レジャー/フィットネス施設/温浴施設、コンシェルジュサービス、バー・ラウンジ、朝食などの付帯サービスや料飲の利用率が、各5ポイント程度上がっている。宿泊だけでなくホテルが提供するさまざまなサービスを利用する宿泊客が増えていることがわかる。

ホテルを選ぶ理由についても、「サービスの評判がよいから」を挙げる割合が高くなる一方で、「料金が安い」「料金に含まれるサービスが充実」は低下している。コストを抑えるよりも、ホテル滞在で得られる質の高い体験を期待していると考えられる。

『1泊35,000円以上部門』以外の価格帯のホテルも、同様に「客室」「ホテル施設」のウエイトが小さくなり、「飲料」「ホテルサービス」が満足度に与える影響が高まっている。インターネットや温浴施設の利用を中心とした付帯サービスの利用率が向上し、宿泊客の半数が“宿泊+α”のサービスを利用していると確認できた。

さらに、朝食の利用率も6~7割となっていることから、宿泊客の期待が“宿泊”だけでなく、ホテル内で受けられる“多様なサービス体験”へと広がってきていると考えられる。同社はこの結果を受け、ホテル宿泊客の利用スタイルが、単なる宿泊から滞在中の体験を楽しむことへシフトしていると述べている。

2020年に向け、宿泊特化型ホテルを中心とした新規供給の増加が見込まれる中、宿泊客満足度を左右する要素はハードからソフトへと移行し、より質の高い滞在体験を得られるホテルが選ばれていくと予想される。同社は、ホテルの基本機能である「客室」「ホテル施設」で高い品質を提供していくことは必須だが、それに留まらず、ホテルブランドとして特色のあるサービスや滞在体験を提供することが宿泊客満足度を上げ、リピート顧客獲得につながるカギだと述べた。

法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーであるCBREが、2018年1月に発表した「2020年の日本のホテル市場の見通し」や、2018年7月に発表した「地方都市の2020年のホテル市場の見通し」でも、今後は“宿泊以外の体験の質”が求められるとしている。主要都市・地方都市に関わらず、日本全体の宿泊施設で、宿泊客に提供する“体験の質”が今以上に向上することを期待したい。

【参照記事】
国内ホテルの満足度2018、最高価格帯部門の首位は3年連続で帝国ホテル、滞在中の体験が満足度のカギに
【参照サイト】
J.D. パワー 2018年ホテル宿泊客満足度調査

(HOTELIER 編集部)

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