CBREが2020年の日本のホテル市場について特別レポートを発表

CBREが2020年の日本のホテル市場について特別レポートを発表

法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーであるCBRE(日本本社:東京都千代田区)は26日、特別レポート「2020年のホテルマーケット展望ー地方都市で高まるインバウンド需要とホテル開発動向」を発表した。同レポートは、地方都市である札幌・名古屋・福岡の供給動向を踏まえ、日本のホテル市場の見通しについてまとめたものだ。

ホテルマーケットにおける3大都市の東京・大阪・京都以外の地方都市にもインバウンド需要が波及し、地方都市におけるホテルの新規供給も増加している。これは、団体旅行から個人旅行へのシフト、訪日リピーターの増加、コト消費の高まりとそれを満たす体験が充実していることなどが要因だ。2015年以降、外国人延べ宿泊者数は、3大都市の合計をそれ以外の地方都市の合計が上回るようになり、その差も広がりつつあるという。2011年と比較すると、3大都市での外国人延べ宿泊者数は2017年に4倍となったのに対し、それ以外の地方都市では4.5倍となった。

なかでも札幌・名古屋・福岡はホテルの高稼働が続き、ホテル事業のパフォーマンス(RevPAR:販売可能客室数当たりの客室売上)が好調を維持している。CBREは、これら地方都市のホテル開発が促進された結果、2020年までに合計で1.5万室、2016年時点の既存ストックに対してそれぞれ18%・31%・30%もの客室が供給されると予想した。

一方で、2020年の政府目標である訪日外客数4,000万人を前提に、札幌・名古屋・福岡のそれぞれの必要客室数を推計したところ、いずれの都市も、新規供給を踏まえてもなお客室数が不足する推計結果となった。推計にあたっては年間の客室需要を基にしており、季節変動については織り込んでいないため、ハイ・シーズンにはさらに需要が逼迫する可能性もある。

加えて、地方都市はホテルタイプの偏りが顕著だ。主に国内の単身出張需要をターゲットとしたビジネスホテルが、少なくとも新規供給の55%以上を占め、3大都市の43%よりも高い割合を示している。訪日外国人の多くは家族や友人などと同伴するため、より広い客室面積か求められる。しかし、地方都市は3大都市に比べてインバウンド比率が低かったことから、これまでのニーズであるビジネスホテルの供給割合が高くなっていると考えられ、今後は需要とのミスマッチも起こりかねない。

CRBEは今後について、アッパークラスやフルサービスホテル、3名以上が宿泊できる客室構成、長期滞在に対応できるホテルなど、多様性が求められるとしている。さらに、地方都市のインバウンド需要の増加には、旅行者の嗜好が「体験」へとシフトしていることが密接に関係している。ホテルにおいても、宿泊そのものの体験の質や、宿泊以外の体験が求められるようになると考えている。

インバウンド需要の増加は日本のみならず、世界的な潮流となっている。なかでも、アジア太平洋地域におけるインバウンド需要は成長が著しく、2000年代半ばに米州を上回り、その格差は年々拡大しているという。2020年に開催する東京オリンピック・パラリンピック後もこの潮流は続く見込みで、アジア太平洋地域に属する日本のホテル需要も拡大を続けると予想している。

【参照サイト】
CBREが日本の地方都市(札幌、名古屋、福岡)のホテル市場について2020年の見通しを発表
【コーポレートサイト】
CBRE日本法人
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(HOTELIER 編集部)

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